FEELINGS@/京流+異端麺




某日。
メンバー皆集まって居酒屋。
最近集まって無いなって思って。
仕事上では会うけど、ご飯食べに行くとかなかなか無かったし。


まぁたまには楽しいよね。
すでに出来上がってる人いるけど。


「ちょぉ、れいた!お前ちゃんと飲んどんのかー」
「飲んでるし。葵さん絡み過ぎウゼェ」
「何やとー年上を敬えやー」
「はいはい、オッサンだもんな」
「オッサンちゃうしー」
「あ、れいた!俺の唐揚げ取るなよ!」
「ルキの唐揚げじゃねぇだろ。肉付くぞ」
「あ、でも最近ルキって痩せて来たから前のぷにぷにに戻っていいんじゃね?」
「麗うるせぇえ!黙れ!」


…うん。
まぁ個室の居酒屋でよかったなって思うよ。
皆煩すぎる。
ルキなんてカシオレで酔ってんの?
酒弱いって大変だね。


「すみませーん、生中2つー」
「葵さん何処まで飲む気!?」
「はぁ?そりゃイケるとこまでやろ!」
「泣き上戸んなるなよ。ウゼェから」
「れいたが酷いわぁー」
「あ、戒君、そのだし巻き玉子とってー」
「はいはい。皿によそってあげるから」
「サンキュー」


ルキが指差した卵焼きを皿に乗せ、渡してやる。
飲んでると言ってもカクテルだし、ルキは食にいつも走る。
あんま飲めないから。
何か必然的に俺が世話係りみたいな感じになって、全然酔えない。


「でな、もうすぐ京さんの誕生日じゃん?何プレゼントしたらいいかなー」
「ベタに『プレゼントは俺』でいいんじゃね?」
「バッカ麗!お前の変態さと京さんを一緒にすんな!」
「ってかルキ、さっきからソレばっかじゃん」
「だって京さんの誕生日だぜ!?最高のイベントじゃん!……京さんライブでその日いねぇけど」
「あはは〜ご愁傷様やな〜ルキ」


まぁ楽しそうに皆話してるから、いっか。

ってか、アレ?


「ルキ、携帯鳴ってない?」
「マジで?…あ、京さん!」
「噂をすればじゃん」
「何だよラブラブかよお前ー」
「うるせぇよ!静かにしろ!…もしもし」


少し皆の輪から離れて、ルキは携帯に出た。
その顔は心底嬉しそう。


「お疲れ様です…今メンバーと飲んで…え?はい。新宿ですけど…え、マジですか?はい、はい…わかりました。着いたら連絡下さい」


携帯を切ると、ルキはこっちに戻って来て。


「…京さん、此処に来るって」


えぇえぇー!?


「ちょ、マジで来んの!?」
「うん、近くにいるからって」
「ヤバい俺こんな酔っ払っとんのにちゃんと挨拶出来るか不安やわぁ」
「何話せばいいんだよ」
「ルキがお世話になってますーって?」
「は?フザけんなよ家鴨」


各々別の意味でテンション上がってる。
京さん。
ルキの話ではよく聞くけど、実際こういう場で会うのは初めてだし。




「あ、京さん来たかも。迎えに行って来る」
「おー行ってらー」


数十分後。
ルキの携帯にメールが入ったらしくルキが個室から出て行った。
残された俺ら4人。


「あー…緊張すんだけど」
「何で京さん来たんだろうね、今日。珍しい」
「まぁルキが世話んなってっから、挨拶してぇし。いいんじゃね?」


そう各自で話していると、ルキが帰って来て、その後ろには。
全身黒で統一された服に、サングラスの京さん。
小柄なのに、オーラと言うか、威圧感が凄い…気がする。


「京さん、此処座って下さい。俺の隣!」
「ん」
「上着、かけときますね」


何か、あのルキが自ら動いてんだけど。
何があった。

ってそれより。


「今晩和。お久しぶりです京さん」
「あぁ。いきなり押し掛けてすまんかったな」
「いえ全然。俺らも挨拶したかったんで」
「ほうか」


俺を筆頭に、次々に挨拶していくメンバー達。
ルキは京さんの隣でメニューを捲る。


「京さん、何飲みますか」
「白ワイン。グラスで」
「わかりました」


何か…ルキが別人に見える。
ルキって京さんの前ではこんななんだ。
いつもは我儘なのに。

ちょっと面白い。


「京さん何か食べますか?」
「別にいらん。お前またようけ食ったんちゃうやろな」
「た、食べてませんよ!」
「肉ついたら知らんで」
「痩せますから!!」
「はッ」


必死なルキと、笑う京さん。
何か、この人。
イメージと違うかもって感じた。

先程まで煩かった個室は、京さんの一挙一動に皆関心が行ってしまって静かなままで。


「…なん、皆飲まへんの?」
「お前ら京さんばっか見んなよ!京さんは俺の!」
「お前は酔っ払っとんか。黙れ」
「ぁ"だッ!」


ついそのやり取りに笑ってしまう。
それから、他愛無い話や音楽の話とかを皆で話し出す。
ほとんどルキが喋って、京さんが聞いてるってスタンスだけど。

ルキがあまりにも嬉しそうに話するから。
あぁ、本当好きなんだなって思った。






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