小説 | ナノ
■ 笑顔でSOS



ピエロのように、狂ったように


君は笑っているけれど


なぜか俺には

SOSにしか見えない。



狩「・・・」

『あははっ、狩屋君、コレすっごいおもしろい!あ、あれも!』

狩「うん・・」


名前は俺の彼女。

でも、なんかこの頃おかしい。

いつも笑顔だった。
けど、今はなんか・・・違う。

なんていうか、、幸せ!って感じがしない。
苦しい笑顔で。
でも、みんなは「テンション高いんだね」って。


『た、たのしくない?』

狩「・・それ、こっちの台詞」

『え? 楽しいよ?ははは♪』

狩「嘘は嫌いだけど?」

『うそ、じゃないよ』


彼女は、なにかを隠すとき、いつも頭をかく。

あ、頭かいた。


狩「・・・、嘘笑いなんて、見てて気分悪い」

『ぇ・・・』

狩「・・・」


平然を保つのに必死だった。

名前が今にも泣きそうな顔をしていた。
抱きつきそうになった。
悲しくなった。

もしかしたら、本当に楽しくて笑っていたのかもしれないのに・・・。
俺の言葉でどれだけ、傷ついたんだろう。

でも、やっぱり、様子がおかしかった気がするから。


『だって、さぁ・・・狩屋君、このまえ霧野先輩とキスしてたでしょ・・?』

狩「え」

『ぇ?』


なんか、勘違いされてる。


『えっ?か、狩屋くん!?』

狩「そんな事するわけねぇじゃん!」


そんなことだったのかよ。


なんか、素直に嬉しくて


抱きついてしまった。


彼女のSOSは俺のSOSだったみたいだ。


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