最早恒例となったモノクマの動機付け。
今回は…馬鹿馬鹿しいことに100億円のプレゼントだそうで。
人の命はお金なんかじゃ買えないし、そんな大金実感わかないし。
そう言えば、今まで考えなかったけど外に出たらどうなっているんだろう、ていうかわたしたちってどういう扱いになってるのかな…誘拐?
どのみち100億円を持って外に出たとして犯罪者のレッテルを貼られたら意味もない……いや、殺人なんてわたしにはできないから関係ないのかもしれないけどさ。

霧切さんから何か話したいことがあるらしく、その後脱衣所へ向かうとどうやら山田くんが昨晩、アルターエゴを自室へ持ち帰ったらしい。
何故彼がそんなことをしたかと言うと、不思議な話だが彼はアルターエゴに恋に落ちたらしい。
……いや、そもそもアルターエゴって元は不二咲くんだから男の子なんじゃ。
と、そこに暑苦しい代表石丸くんこと石田くんが現れ、兄弟を持ち去った(石丸くんはアルターエゴを大和田くんだと思ってるらしい)山田くんと対立した。
そんなくだらない言い争いに怒った霧切さんの提案で、これから脱衣所へ無断で入ることは禁止された。

暇だった学園生活も一転、アルターエゴからの資料を調べるために図書室と自室の往復が始まる。
忙しくなると睡眠すら取らなくなるのがこのわたしという存在で、現に今も、すごく眠いけど……、これが何だかわかったら、わたしもみんなのために何か貢献できるかもしれないし、誰かの役に立ちたかった。

「…汐海……ん、汐海さん!」
「へっ、あ、ああ苗木くん。どうしたの?」
「もうお昼なんだけど……もしかしてずっと寝てた?」

時計を見ると12時を回っていた。
なるほど、久しぶりの寝落ちってやつだなこれは。
冷静にかっこつけてみても意味はなく、苗木くんに連れられてわたしは食堂へと向かった。

「それにしても、わざわざ迎えに来てくれたの」
「汐海さんがいないって大騒ぎになってね…みんなで探してたんだよ」
「うわあ、まじですか…」

貢献するつもりが迷惑かけてたらしい。
恥ずかしくて顔を抑えると、あははと笑う苗木くん。
食堂へ向かうと暑苦しい石丸くんからお叱りを受けた、すみません。
何はともあれ昼食、珍しく霧切さんが話を振ってきた。

「…どう?あれは何かの役に立ちそうかしら」
「どうかなあ…、今のところ、脳神経に効くってことぐらいしかわからないかも……」
「ええっ、あれってそんなこと書いてあったの!?」

よく読めたねーと朝日奈ちゃん。
まあ、確かに化学やってない人には暗号だよね、あれ。
図書室には何故か大量の化学コーナーなるものが用意されていた、…この学校にわたしたちが来る前には、誰かがこの薬について同じように調べていたのかな。
今日はデザートに朝日奈ちゃんがドーナツを作ってくれたらしく、紅茶と一緒にいただいた。
こういうことをしていると、あんまり学生って感じがしないんだよね。
また部屋に篭り本をぺらぺらとめくっていると、あるページに無数の落書きが。
むしゃくしゃしているのかものすごい走り書きで『先輩の馬鹿〜〜〜』と書いてある、それにしても字が汚い。

その夜、霧切さんから召集があり、脱衣所へ向かうとそこには険悪そうな雰囲気が漂っていた。
何とアルターエゴが盗まれたらしい、…モノクマの仕業を疑ったが、霧切さんはモノクマが来たら悲鳴をあげるよう設定したらしい、侮り難い…。
しかしそれはどうやらモノクマだけではなく、石丸くんと山田くんでも悲鳴をあげるようで。
少なくともその2名以外の誰かが、アルターエゴを盗んだというわけだ。
すると十神くんは、お決まりの得意顔で裏切り者が潜んでいるのではないかという恐ろしい事を言い出した。
……確かにミステリー小説とかじゃ定番の設定だけど、この中にはいて欲しくないというのが正直な感想だ。
夜時間となってしまったので、アルターエゴの捜索は明日から行われる事になった。


新世紀銀河伝説再び!装甲勇者よ大地に立て!(2)


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02/10


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