「…なンだァ?」
「だから言ったじゃない?あんたを止めるって!」
「ただ全演算能力をプラズマの阻止に当てたってンだけだろォが…」
「馬鹿だね、いくらわたしでも流石にそこまではできないよ、…街を見てごらん?」
着地に失敗した楓の言う通り街を眺めれば、全てのプロペラが、回っている。
後ろを振り返ると、妹を支えながらこちらを睨んだ美琴がいた。
それに気づいた一方通行は真っ先に妹を倒そうとした、彼女を倒せば風が止むのだから。
「させないわ」
それを阻止するように、美琴は妹の前に立ち塞がり、コインを構えた。
「…なンでオマエらはそこまでして人形を庇う?」
「……この子たちは私の妹だから、ただ、それだけよ」
「はっ、何を言い出すかと思えば、姉妹ごっこかよくだらねェ!」
妹に攻撃をしようとしたその時、突如姉妹の姿は消え、そこには一人の女子が立つ。
「まだ、わたしとの勝負もついてないわよ?」
「…チィッ、めんどくせェ!オマエらまとめてぶっ倒してやるよ!!」
「上条、起き上がるまで、それまではわたしが止めるから!早くしろ馬鹿!」
プラズマによる攻撃手段を失った一方通行だが、だから何だという話だ。
一方通行は触れるだけで人を殺せる能力者だ。
そんな攻撃ができなくても、楓たちに触れるだけで死んでいく。
逆にこちらの視点で考えると、触れられなければまだ勝機はあるのだ。
だからこそ楓は、徹底した防御を謀る。
小石が飛んでくれば風で一掃し、鉄やコンテナが飛んでくれば自分を移動させる。
離れていれば攻撃が当たることも少ない。
時に美琴たちも移動させ、楓は一方通行を倒しはできなかったが、『時間稼ぎ』は確かにできていた。
その甲斐もあったのだろう、確かに楓たちは、彼が起き上がるのを見た。
「…遅いよ、上条」
「悪かったな、行くぞ」
その光景に美琴や御坂妹は今にも泣きそうな顔で、一方通行は信じられないと言った顔で、上条を見つめた。
「…最っ高に面白ェぞ、オマエ!!」
一方通行は上条の元へ駆け出した。
しかし彼の右手は上条の頭上を通過し、左手は上条によって受け止められた。
「歯を食いしばれよ、最強。……俺の最弱は、ちっとばっか響くぞ」
Real Force
(最も強い『最弱』)
----
03/27
レベル6シフト編終了です!!!!!!!!!!!!!!!!!!おわった!!!!!!!!!!!!!!!
Prev Next
Back