「…あームカつく」
「やっぱ第三位は強いわねー」
「ああん?大体フレンダの爆弾がなきゃ余裕だったのよ」
「…うっ、ごめん麦野」

研究所から離れ、仕事を終えた『アイテム』は、とりあえず解散ということになった。
楓も寮に帰ろうと思ったのだが、ここで一つ問題が生じてしまった。

「(あれ、門限ってとっくの昔に過ぎてるし、そもそも退院したことも伝えてないじゃんか…)」
「…檸絽さん、さてはあなた寮に帰れるか超悩んでますね」
「よくわかったわね…はあ、どーしよっかなあ…朝一で常盤台行きたいし。今から寮帰るのは面倒だし」
「そーいや第七学区の友達が今出かけてるって言ってなかった?」
「…あー、あそこでいっか。男子寮だけど」
「それじゃあねいろ、おやすみ」

という訳で、常盤台中学と同じ学区にある土御門の寮を無断拝借することにした。
幸い寮には舞夏がいるらしいので、食にも困ることはないだろう。
楓はビルの頂上から能力を使い、第七学区まで飛んでいく。
この時間は学生もあまりいないので、このようにおおっぴらに飛んでも誰にも気にされないのだ。

「(…にしても土御門の寮ってどの部屋だったかな、もう覚えてもいないわ、ここだっけ…?)」

楓がインターホンを押すと、残念ながらそこは土御門の寮ではなく、黒いツンツン頭の男子が佇んでいた。

「はい、上条ですけどー?」
「あ、ごめん間違えた」
「あのー、ここ一応男子寮なんですけど…?」
「知ってる知ってる、そんであんた敬語とかどうしたの、気持ち悪い」

楓が上条の頭を叩くと、上条は一瞬呆けた顔をした。
しかしすぐに、楓にとっていつもの、上条らしい上条の姿に戻る。

「…あー、ってかお前、何で土御門…の寮に?」
「まあ生憎、ちょっと事情があって…というか上条、あんたも何よあのシスター、まさか誘拐?」
「いやいや違うからな!上条さんにそんなご趣味はございませんのことよ!?」
「ふーん、まあ検討がつかないわけでもないけど、じゃあね、ありがと」

気を取り直して再度隣のインターホンを鳴らすと、舞夏の声が。
相変わらず土御門らしい部屋で、キッチンからはとても美味しそうな匂いがした。

Neighbor's Dormitory
(一時休戦)

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03/17
ちょっと原作から離れますね☆

01/19
この場面マジでいらなくねって修正してるとき思ったんですけどこの話には上条さんが記憶喪失だよって伏線があったっぽくて昔のわたしに驚愕してます


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