――しばらく部屋で待っていてと言われ、待っていたら私の準備の時間の何分の一かの速さで佐助さんは着替えてきた。

いつもの忍装束ではなく、着流し姿。

…黙っていれば、イケメンだと思うよ、多分。黙っていればの話だけど。

そう言いたげな視線を佐助さんに向けていると、先程抓られた個所ではなく、耳を引っ張られた。

…あれです、暴力的な所は変わらないようですね。

っていうか何で言いたいこと分かったんだろう。

エスパーですね、佐助さん。


「…名前ちゃん、余計な事考えていないで出かけようか。旦那の団子も言いつけられてんだから、早く支度しな。」

「…ってまた思考を読み取りましたね、佐助さん。」

「名前ちゃんが失礼なこと考えてんのは大体、分かるから。」


 笑顔でそう言ってのけると、佐助さんは私の手を取った。



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