暖かな春のある日




――結局、私が仕事を終えたのは昼も少し過ぎた頃だった。

いつの間にか軽い昼食と温かいコーヒーを淹れてやって来た佐助さんからコーヒーを受け取り、一息ついた。


「ちょっと遅くなったけど、お出かけしましょうか。どこ行きます?」


 ずっと待たせたままだったので悪いと思い、そう佐助さんに声をかけると佐助さんは苦笑いを浮かべた。

テーブルに昼食を置き、私に近づいてくると、私の肩を揉み始めた。

…というかマッサージ師かと思うほど、上手い。


「そんな俺様に気を使わないでいいのに。アンタ、今まで仕事してたんでしょ。…休んだらどう?」


…なんだか佐助さんが優しい。

あれだ、ブラック企業ならぬブラック部署に佐助さんも勤めているから一段と優しいんだな。

佐助さんの心配りに思いっきり甘えながらも、今日の晩御飯と晩酌を買い出しに最寄りのスーパーには出かけることにした。


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