２２


　年末――…それは締めがあったり、元旦の準備をしたりで忙しい時期。

そんな時期には、私にとって特別なイベントを控えていたのだ。



コミケという名の大イベントを控えていたのであった。




　佐助さんがまだ目覚めていない朝、「友達と旅行に行ってきます。」という書置きとキャッシュカードを残して私は家を出た。

今日は佐助さんが家にいても何としてでも行こうと決心していた。

そのため、こんな早朝から家を出て、コロコロ（トラベリングケース）を引いている。

今回は運が悪いのか、いつも一緒に行く友人にドタキャンされてしまった。

そのため新幹線のチケットをとっていたものの、１セット使わなくなってしまい、なくなく自分の分だけ持って１人旅となった。（思えばチケットを家に置いてきたのは失敗だった。）



　１人でも行こうとしていたのは訳がある。

それは私の贔屓している大手サークルがコミケで販売すると聞いていたからである。


委託もいいけど、やっぱり早く手に入れたい。

なんて言ったって佐幸の新刊なんだから。


…あ、ちなみに２次元と３次元は混同していないので、在宅中の佐助さんは別である。

だって、彼は同人誌と違って幸村さんとそんな仲ではないし。

というか例えそんな仲になったと聞いたとしても、そんなに萌えないだろう。


やっぱり２次元は最高だと改めて思うのであった。