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13 「色は思案の外」


13


 朝の日差しが眩しく感じ、瞼をゆるゆると持ち上げる――今何時だ?

目を開けた瞬間に壁掛けの時計が目に入り、時間を確認する。

5時か…会社から電車5分のところに住んでいる私にとって特段急ぐ時間ではない。

昨日は飲みすぎたんだなぁ…とぼんやり思いつつ、ここがリビングだってことに気づく。


寝床にすら入らなかったってどんだけ酔っていたんだよ、私。

それでも布団は被っていたから、きっと佐助さんにお世話してもらったんだろう。


 そろそろ起き上がろうと思って暖かい寝床から這い上がろうとするが、逆に強く引っ張られる。

ふと見るとお腹には腕が回されており、佐助さんに抱えられていた。

目を白黒させる私に対して、佐助さんはからかうように笑っている。

何か文句でも言ってやろうと睨みつける私に佐助さんはキスを落とす。



「…何してるんですか?」

「何って……恋人同士の朝の挨拶?」

「いつ恋人同士になったんですかね。というか今日も仕事あるんだから、ふざけてないで会社行く準備するからどいてください。」

「相変わらずつれないね。昨日、あんなに2人で愛し合ったのに。」



 さらりと適当なことを言う佐助さんに対し、「はいはい。」と自分も適当な返事をしながらシャワーを済ませ、スーツに着替える。


やっぱりウコンの力は偉大だ。

昨日、記憶が飛ぶほどに飲み続けたにもかかわらず、次の日に持越しされていない。


 だからといって、毎日晩酌するのは良くないよな…今日はまっすぐ帰ってさっさと寝よう。そうしよう。

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