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　上田城――徳川の大軍を２度に渡って退け、全国に名を馳せた居城。今では桜の名所として有名で上田城千本桜祭では毎年、多くの観光客が訪れる場所――



「やっぱり天守閣がないと見応えないよなぁ。」


　観光マップを見ながら上田城跡公園を巡る私は苗字名前。今は長期休暇を入れたはいいが、行く場所も特に決めていなかったため、程よく日帰りで回れる城めぐりを行っている。

　気ままな1人旅で何も旅行にテーマを決めていなかったため、ちょうど大河ドラマの予習もかねて真田幸村（信繁だっけ）ツアーを始めようと思い立ったのであった。どこから回ろうかと観光マップに目を通していると、中央に位置する「真田神社」に目が留まる。



「まずは真田って名前もついているくらいだから、お参りにでも行くか。」



　鳥居を抜けて境内にてお参りを済ませた後、周囲を散策する。平日だからか人も少なく、タイミングが良かったのか悪かったのか（今思えば、悪かったんだと思う。）周囲には私以外に誰もいなかった。


　その静けさに少し気味が悪くなりつつも、せっかくだから公園全てを観光してやるんだと考えていた私は真田神社の奥にある真田井戸まで足を向けたのだった。