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5 「宵闇の迫る影」






「名前ちゃんの薄情者、人でなし…俺様をあんな中に1人で置いていくなんて……。」

「悪かったって。効率よく買い物するためには店員さんに選んでもらうのが一番だと思ってさ。店員さんも色男でコーディネートできて一石二鳥ってやつでしょ。」

「一石二鳥って俺様、何も得してないんだけど。」

「ほら、佐助さん……格好いいですよ。色男です。」

「アハー、さっきの設定ってやつ、恋人でもいいよ。」

「あー、機嫌直ったみたいですね、良かったです。」



 佐助さんの軽口をスルーしつつ、これからの食糧を買い込みに食料品売り場に向かう。


 見たこともない野菜や果物が一杯だったのだろうか、佐助さんは興味深そうにあちこちと視線を巡らせている。

 さっきの人ごみよりはまだマシだろうと思い、繋いでいた手を離そうとするが…動かない。


余程さっきの服屋の件が堪えたのだろうか。


 思わずため息を零しながら佐助さんに言った。



「もう置いて行ったりしませんから、手を離してくれませんか?」

「嫌だね、名前ちゃんの言うこと、あんまり信用ならないし。」

「その節は大変申し訳ありませんでした…じゃあ買い物するの手伝ってくれる?気になったものがあれば、さっきのお詫びもかねて買わせていただきますので。」

「じゃねー、俺様、あれ欲しいな。」



 佐助さんが指さしたものを言われるがまま買い物かごに入れつつ、今日の夕食のメニューを考える。


 佐助さんの入れていく商品はお菓子から南瓜、トマトなど多種多様だ。

 入れてきたものの中で夕食のメニューを考えるのが難しく、面倒になってきたので今日買ったものは明日以降の食事に活かそうと思い立った。



「っていうか佐助さん、団子好きですね。さっき食べたじゃないですか。」

「んー…俺様がというより真田の旦那が好きなんだよね、これ。」



 よっぽど真田さんという主が好きなのだろう。


 主従愛は良いことだと思いながら、2人分の買い物にしては少し多い品物を購入した。



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