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いよいよテーマパークに行く日がやってきた。
レンタカーに皆を乗せて私はテーマパークに連れていく。
かすがと慶次さんは車が初めてだったので、少し怯えている。
申し訳ないと思いつつも、彼らの面倒を片倉さんに任せる。
だって、車の中じゃ佐助さんに頼むのは実に心もとない。
彼、車嫌いだし。
現に助手席で私の手を握りながら少し震えている。
久しぶりに長距離乗るからだろうか、普段より態度が隠せていない。
誰が見ても虚勢を張っているのが見え見えである。
ちなみに一番後ろは面倒臭い2人が陣取っている。
散々、佐助さんと片倉さんに注意されている2人だ。
大人しくしてくれないとは思うが、運転席からなるべく離した方が無難だ。
「皆さん、準備はいいですか?ちなみにテーマパークまでは2時間ほどかかります。シートベルトをしっかり締めてくださいね。あと、佐助さん、高速道路走行中は手を離してくださいね。普段の倍で飛ばしますので、ちょっとの油断が大きな事故を起こしますから。」
「はーい。」と色よい返事が聞けた。
長距離ドライブだ、油断せずに行こう。
そう思いながら、私は車を発進させたのだった。