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26 「袖振り合うも多生の縁」


26


 早いもので佐助さんがこちらの世界に現れてから半年が経った。

依然、佐助さんは時々、仲間を連れ立ちながらもこちらとあちらの世界を行き来しているし、佐助さんがこちらとあちらの世界を双方向に行き来できるという奇跡は終わる気配を見せない。



 来るべき4月――私事ではあるが、最近転職をした。


…せざるを得なかったというのが正しいか。


前いた会社が大会社へ吸収され、私のいた部署等小さな部署の社員達は悉く人員整理の波に呑まれた。

相変わらず佐助さんは来ていたものだから、失業してたまるかと思い、やっとのことで入ったのが今の会社だった。

小さな会社ではあるけど、アットホームで休みが取りやすい。

野心家の木下社長と参謀の竹中専務の二大柱で成り立っている会社だ――


…どこかで見たことあるような風貌を彼らはしていたのだけれど、世の中に自分と似た人物は3人はいるというから、きっと気のせいだろう。


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