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25 「抱いてる疑惑」


25


 かすがの手作りチョコと少しのまともなチョコで我が家のバレンタインデーも終わり、1か月を過ぎ、ホワイトデーの時期になった。

その間にも佐助さんはまめに里帰りをしつつも、こちらに来ることを繰り返していた。

しかも最近、幸村さんだけでなく、片倉さんを連れ出して出かけることも多い。

こいつら、こんなに仲良かったっけ…と思いつつも、彼らの世界ではもはやゲーム時の次元よりももっと後の世になるのだから、奥州と武田が同盟を組んで参謀同士が仲良くても不思議ではないだろうと思い、さして気にしてはいなかった。


その姿を見る度に、我慢できずに「保護者懇談会」と呼んでいたりはするのだが。



 14日も目前に迫ったある日、仕事から帰ってくると珍しく佐助さんの出迎えはなかった。

帰ったのかなと一瞬、思ったが、台所の電気はついている。

そして仄かに甘い香りがする。

すぐにホワイトデーの準備をしていることを察し、声をかけることもなく、そのまま自室で着替え、リビングに向かう。

そこには、ちゃんと夕食が用意してあり、出迎えができないことの詫びなどが記されたお手紙も添えられていた。


なんて律儀なんだ…君の社会人能力には手も足も出ないよ。


感謝しつつ、手を合わせ、いつもより大きめの声で「いただきます」の挨拶をして食べ始めた。


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