2015.11/17(22:52)

「五時だよ。はやく帰んなよ。もうこんなに日が落ちてる。聞いてる?ねえ、危ないから帰んなって。君のために言ってるのに」
だって今この身体を離してしまえば、あなたはまたどこか遠くへ行ってしまう。旅なんてよして。私といてよ。そういうこと何一つ言えないのが悔しくてあなたを見れないまんまだ。 
(会話)


2015.11/17(22:50)

「小雨転がるこんろころ、飴玉唄わすてんろてろ、草の芽囁くしんしんしん、秋空秋空やさしいのう、秋風秋風つめたいのう、よければどうだいこの踊り、美味な褒美を頂戴な!」《柿の木の下ぱっぱっぱ、童が踊るよるんたった、よければどうだいこの柿を、たんと美味しくくれてやろ》

よければ唄ってご覧なさい 
(言葉)


2015.11/17(22:49)

「なんだ……あれは、僕を裏切っての謀反の行いじゃなかったのか」「馬鹿ね、私が主に逆らうとでも思ったの?」「思った、思ったよ、現に君は主である僕の喉笛にその長くて鋭くてぶっちゃけ当たってて痛い凶器的な爪を立てているからね」「いいじゃないたまには」「それでごまかそうったって今までの謀りを無かったことには出来ないんだからな!!退けッ!!」「えー」 
(会話)


2015.11/17(22:48)

つるりときみが わたしの喉を 通る感触 がするのだ 
(都都逸)


2015.11/17(22:47)

宇宙の塵芥が尾を引く炎となってこの身を貫いたならば、心に積もった思いもそのまま攫って行ってほしいのだ。後生に残すには勿体無い。忘れた頃、私が最後の眠りに入るその時に、戻ってきておくれ。熱く爆ぜた思い出がちかちかと全身を包んで、そうして、私自身も塵芥のかがやく炎となるのだから。 
(言葉)


2015.11/17(22:46)

「雛鳥って生まれてすぐ見た相手を親だと思うじゃない」「……それが、寝起きの俺に通用するとでも」「視界いっぱいの私だよ?」「意味わかんない」「……好きだよ?」「意味わかんない」「もう」 
(会話)


2015.11/17(22:46)

さあさ迎えにゆこうじゃないか 落ちてく魂掬いとる為、生命溢れん春の為 さよなら三角また生き死んで なんと見果てぬ海原だろか、なんと愛しい空だろか。 
(言葉)


2015.11/17(22:45)

「完全にシャブキマってんね、今何を見てる?」「……てんし」「そ、天国になんざ行けやしないような誤った道を行く人間の目に何故だか俺が見えてんの。なんで?」「わかんない」「俺だって知りたくもないよ」……ただひとつ言えるのは、惨めになっても尚、大切に育てた花を見て涙を流す心の清さが俺を呼んだんだ。 
(会話)


2015.11/17(22:44)

しとどの雨に濡れた大きな身体で死神と名乗る黒ずくめの男が、教会の門前に佇み「恐ろしいだろう」と囁く。修道女は静かに唇を震わせ、「生も死も、神が私達に授けた枷でありそして美徳です」「だから何だと言うのだ」「貴方を受け入れます」と微笑を向けた。雨雲から覗く晴れ間のような瞳だった。 
(会話)


2015.11/17(22:43)

蝶よ花よと育てた君が「蝶よ」「花よ」と囁かれ 
(都都逸)


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