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▼ 自己紹介は初めが肝心



取り敢えず着替えろと言われ銀髪さんの使っていない寝間着を渡された。
ズボン緩いだろうからこれ巻いとけと細い帯まで。
有難いので素直に着替えさせて貰った

着替え終わったら銀髪さんも寝間着から着物?に着替えていて洗面所まで案内してくれた

「ここが洗面所な、風呂とかは後で説明すっから顔洗っとけ。」

タオルを持たされ何処かへ歩いて行った

遠慮なく顔を洗わせて貰うと思った以上にサッパリして気分も少しスッキリした気がする

お世話になることになっちゃったけど、本当に良いのかな
何か出来る事はしないと
あれ、銀髪さんって独り暮らしだろうか
と言うか、名前聞いてないや

後で教えて貰おうと考え、洗面所を出ると、目の前にチャイナ服を着た女の子

びっくりし過ぎて叫びそうになったけど何とか耐えた
本当びっくり
今まで何処に居たの?
寝てたのかな?寝癖ついてるし
いや、でも結構叫んでたよね、主に銀髪さんが。
あれで寝てるって凄いな

「誰アルか」

頭の中であれこれ考えているとチャイナちゃんが先に言葉を出した

誰って、そりゃそうだ!
きっとチャイナちゃんはここに住んでるんだよね、いきなり現れた私、ほんと誰だよ!

「あっえと初めまして、私はっ

「神楽−! って押入れに居ねぇと思ったらここに居たのか。 あー悪ィ、先に会っちまったか。こいつ神楽ってんだ、ここに住んでるから。んでこっちが−……あれ、そ−いや名前聞いてねぇな、何てーの?」

私が慌ててチャイナちゃんに説明しようとすると突然銀髪さんが来て、いきなり説明し出し、名前聞いた無かったと今気づいたらしく、もうグダグダの自己紹介になった

「何アルか、銀ちゃん。また女連れ込んだアルか。しかも自分の寝間着着せて、しっぽりやった後アルか。」

私も名前言って無かったかと、名乗ろうとしたら、とんでもない事をチャイナちゃんが言い出したもんで、え!?と声を出して驚いた

いや、だってまだ子供、しかも女の子だよ!?
しっぽりとか言っちゃダメじゃん!?
しかも、またって……この人そんな、頻繁に女連れ込んでんのか
私本当に誘拐じゃないよね、と思わず目を細めて銀髪さんを見てしまった

「神楽チャァァァン!?!? 誤解を生むような言い方止めようね!? 俺そんな事してないよね!? しかも何もしてねぇからね! 寝間着貸しただけだから!」

おまえも変な誤解するなよ!? と叫んでる

銀髪さんは基本叫ぶ人なのかな

叫んでばっかり

「おはようございまーす!」

「新八アル!」

「もうそんな時間か!! まぁ丁度良い、朝飯前に顔合わせすっか、ちょっと来い、もう1人紹介する奴居るから。」

そう言って歩き出す銀髪さんを慌てて追いかけた

展開が早くて付いていけない

急いで行くと、眼鏡を掛けた男の子と銀髪さんは既にソファーに座った居た

私の後ろから顔を洗ったチャイナちゃんも来て4人ソファーに座り顔を見合わせた

「あれ?お客さんですか? てか銀さん、今日起きるの早いですね。銀さんに出迎えられるの久々で僕びっくりしましたよ。」

なんて眼鏡くんが喋り出す、いつもこの時間まで寝てるって事なのか銀髪さんは……

何だろう、銀髪さんはあまりよろしくない生活を送って居るのだろうか……

私の横に腰かけて居る銀髪さんを横目でちらりと見ると、あからさまに目を逸らされた

「と、とにかく、ちょっと自己紹介始めるから聞いとけよオメーら。」

「まずさっきも言ったが、こっちのチャイナが神楽って名前でここに住んでる。んで、こっちの新八くんが眼鏡で、ここに住んでは居ない。2人共ここの従業員な。」

「待って下さい銀さん、何か僕の自己紹介おかしくないですか、新八が眼鏡ってまるで僕が眼鏡本体みたいじゃないですか。」

「眼鏡だろ」

「いや、眼鏡だけど!眼鏡掛けてるけどそうじゃなくって!! 眼鏡を掛けてるのが新八で良いじゃないですか!! 眼鏡はあくまで眼鏡です!! 本体は新八です!!」

「で、こいつはワケあってここに住むことになったから」

「無視ィィィィィィ!!」

「ワケって何アルか?」

チラッと銀髪さんに目配りされたので頷いた
喋って良いか確認したんだろう
そんな気を使わなくて良いのにな

「んーまぁ簡単に言うと、違う世界から来て行くとこねーから、元の世界に戻れるまでここに住まわせるってワケだ」

「違う世界? どういう事ですか銀さん? 」

「あんま詳しい事は俺もこいつも分かんねーから、とにかく、そう言う事だ。分かったな?」

「いや全然分かんないですけど。でも良いです何となく分かりましたから」

「流石ばっつぁんの眼鏡だな!」

「いや眼鏡関係ねーよ!!!!」

「私も良いアルよー。一緒に住むヨロシ」

「よし、んじゃ次おまえね、で、名前は?」

「名前も知らないんですね銀さん。」

「まぁなー」

3人の(と言うか主に2人)やり取りを聞いて
正直口挟む所じゃなかった
漫才かと思うほど凄いよ、ボケと突っ込み

話が終わったらしく
3人からの視線を受けながらようやく私は口を開いた

「えっと、は、初めまして、名前と申します。突然こっちの世界に来てしまいまして、行く宛のない帰り方も分からない私を銀髪さんに助けて頂きました。ご迷惑をお掛けしますが出来る事は何でもやります
、どうぞ宜しくお願いします!」

ぐっと頭を下げて自己紹介を終えた

大丈夫かな
緊張した……!

頭を下げたままで居ると銀髪さんが呆れた声で

「まーたそれ、迷惑じゃねぇって言ってんだろー?」

「そうですよ、困ったときはお互い様ですから!
何あったら直ぐ言ってくださいね!」

何とも優しいお言葉
涙出そうだ

「分からないことは私が教えてあげるネ、歌舞伎町の女王とはこの私、何でも聞くヨロシ。」

「っありがとうございます。皆本当お優しい、お世話になる身ですし私に出来る事は何でもしますので、言ってくださいね!」

笑って伝えると隣で銀髪さんが笑ったのが分かって顔を向けた

「やっと笑ったな、これから一緒に生活すんだから辛気くせー顔してんなよ」

ポンと頭に手を置かれた

何か、恥ずかしい
凄く子供扱いされてる気がする

「つかさ、銀髪さんって俺? 」

あ、ついうっかり口に出してた

「すみません、名前まだ聞いてなくって勝手に呼んでました。」

「あぁ、まだ名乗ってなかったっけ。俺は坂田銀時。銀さんでも銀ちゃんでも好きに呼んでくれや。因みに名字呼びは禁止な。後、敬語も禁止。」

敬語も!?

「え、何で敬語もですか? 私、年下ですよね? 名前も坂田さんで 「ハイ、駄目ー」

まだ言い終わって無いのにわざと言葉を被せて遮ってきた

ムッとして横目で見るとニヤニヤしてこちらを向く銀髪さん

もういいや、分かったよ
本人が良いってんだから良いんだよね

「じゃ、銀さんで。」

自分達も普通に喋って欲しいと2人も言ってくれたので、新八くん、神楽ちゃんって呼ばせて貰うことにした

いきなりこんな事になったけど良い人達に巡りあえて良かった

感謝を込めながらもう一度、これから宜しくお願いします!と挨拶すると、ハイ敬語駄目ーと厳しい突っ込みが返ってきた

いや、挨拶しただけじゃん。


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