お題 | ナノ


  ねえねえ構って


彼の特徴をあげるとしたら、どこかの一つに上がるだろう『猫っぽい』。

しなやかに伸びる身体は猫のようで、
鋭く獲物を見つめる瞳は猫のようで、
例えるならば、黒猫のようで。


「渚、ちょっと邪魔……。」

「えー、なんでー?」


猫の様に擦り寄る渚は私の肩へと腕を回して耳元などにキスをする。
くすぐったくなり身体を捩るとすぐに口をへの字に曲げる。


「今日は本を読みたいの。この推理の犯人が気になるから。」

「本はいつでも読めるよ?僕は今だけだよ?」

「本の興味も今だけ。」

「僕がその犯人いったら名前は興味なくす?」

「怒る。超怒る。」


内容を覗き込もうとする渚を本を立ててガードをすると渚は諦めたのか身体を引っ込める。
そうそう、それでいいの。
渚とはあとでゆっくりしたいからね。

すると膝に重みが来て本をあげて見てみるとふとももに渚が頭を乗っけていた。


「……何してるの?」

「膝枕。名前が僕を見てくれないから嫌でも視線に入るところがココだったから。」


じっとこちらを見てくる。
確かにそこは目に入るけれど……、すごく気になるけれど!

……でも目を合わせるものですか!
つん、と顔をそらしてみたけれど彼が気になるので
顔はそのままで目を開けて彼の顔を見てみると
じっと私の方を見ていた。


「……ねえねえ、名前、構って。」


〜〜っ!
あー!もう、渚には適わない!

そして彼は猫の様に目を細めてニヤリと笑うんだ。

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