▽ 続きの物語
……ゆっくりと意識が浮上した。
目をすこしずつ開く。しばらく寝ていた感覚だ。
見たことのある天井。
頭が覚醒し、いそいで起き上がる。
あれ……?
僕の意識がある。
おかしい、僕の魂はあるべき場所へと還されたはずだ。
僕は「特異点」、必要の無いシナリオの一部だったはず。
なのに何故「僕」がいるんだ……?
「……混乱してきた。」
とりあえず老人たちのところにいくか。
今どのあたりまでシナリオが進んでいるかもわからないし、
「僕」がいるかどうかも確認したい。
部屋から出て、角を曲がる。
曲がった瞬間に衝撃が来て思わずよろける。
「し、失礼しました……考え事をしてて……。」
「あたた……や、ごめんなさい、こちらこそ……。」
どうやら職員とぶつかったらしい。
少しスカートの中が見えそうだったから顔をそらしながら手を伸ばしていたけれど
声が、聞いたことのある声で、半信半疑で顔を彼女に向けた。
そうか、やはり君は僕のシナリオには必要不可欠なんだね。
そして彼女は僕を選んだ。だから僕がここにいる。
「パンツ隠したらどうですか?見るのならもっと色気のあるものが良かったです。」
「この子、初対面なのに辛辣!」
――また会えて嬉しいですよ、名前さん。