イシドさんと天馬くん。2 「……私だ、至急車を回してくれ」
ジャケットから携帯を出して彼はどこかに電話していた。
「…おっちょこちょいなところは成長してないな…」
屈んだ彼が俺の頭を軽くポンポンと叩きながらそう言った。
……さっきはとぼけてたけど、やっぱり俺のこと覚えてくれていたんだ…。
っていうか何はともあれイシドさん引き止め成功してんじゃん俺!
「あの…い、イシドさんはサッカー好きなんですよね?」
さっきのなめらかな動きを見て分かってはいるけど彼の口から確認したかった。俺、難しいことはよく分かんないけどフィフスセクターの管理サッカーは本当のサッカーじゃないってのは分かってる。
で、目の前の彼は聖帝イシドシュウジ。
フィフスセクターを統べるものだ。でもってイシドさんはサッカーが好き…みたいだ。
サッカーを愛している人がなんであんな管理サッカーを強いるんだろう?
色々聞きたいことがある。
長い沈黙が流れ…やっとイシドさんの唇が動いたと思ったんだけど…
「……………。車が来たようだ、立てるか?」
ガーン…
待つだけ待たされて結局はぐらかされた!
って車!?
イシドさんが向いている方向…つまり俺の背中側なんだけど、振り返ってみたらいかにもって感じの黒塗り高級車が近づいていた。
ピカピカの…よく知らないけど高そうな外国の車みたいだ。
思わずボケーッと車を見ていたら身体が浮いた。
「え?え?」
浮いたというのは間違いで、イシドさんに抱き抱えられている。
「あ、あの、忙しいんじゃ…」
いや、一緒にいれるのはイコール話が出来るってことで嬉しいんだけど…何で俺姫抱きされてんの??
「捻ったんだろう?治療してやるから車に乗るぞ。大体お前は雷門でも大事な選手なんだからそれくらい気をつけろ…」
…聖帝に怒られた。
何もいえずにいるとそのままイシドさんに抱えられて車にのってしまった。
…治療って、やっぱりイシドさんはテレビとかで見るのより優しいな。
さっきも女の人助けてたし…何だか聖帝と彼にはギャップがある。
聖帝って、すんごーく悪い人だと思ってたけど違うし。
本当の彼はどっちなんだろう…。
ん……にしてもこの車どこに向かってんの!?
ま、まさかフィフスセクター本部とかに連れてかれたりしないよね…?
今更ながら焦り出すぬけている天馬くんでした―――。
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K。さまからいただきました。
イシドさんと天馬くんの再会の話を元に作られたお話。
天馬くんが天然で可愛いですね(^-^)
イシドさんはやっぱりかっこいいなぁ〜。
K。さま。素敵な小説提供ありがとうございました。
管理人より
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