また、明日。  




ガラッ


「よぉ。」

「あ、ナルト。」

私の誘拐騒動の翌日、傷口が開いた足を治すために再び入院している私。


「暇そうだな。」

「うん、早く修行したり任務行ったりしたい気分。」

「つーか足は…「姫ー、検査結果…ってナルト?」

「サ…サクラちゃん!」

来ると分かっていてもやはり表の口調は中々難しい。
特に姫の前で暗部の口調に慣れ始めただけに余計、だ。


「姫を見舞いに来たってことは…ちゃんと仲直りできたのね。」


そういえば何だかんだで仲直りしたの昨日だからサクラに何にも話してなかったな。

「あー…心配かけてすまねぇってばよ。」

「ま、ケンカしてもすぐに仲直りするのがあんたたちだから心配はしてなかったけどね。
あ、そうそう姫。検査結果は異常なし。昨日みたいに走り回ってももう傷口が開くことはないわ。
ただし、病み上がりなんだから無茶しないこと!
これでまた病院に戻ってきたらゲンコツ食らわすわよ。」


……嘘でしょ。

これは暫く修行のノルマを減らしておいた方がよさそうね。
怪我よりもサクラのゲンコツのが怖いし…。


「…ってのは冗談だけど。この調子なら明日にでも退院してもいいわよ。」

「本当!?」

今回は説教も入院も短いじゃん!!

「嘘言うわけないでしょー。
代わりに今度シカマルとの事どうなったか教えなさいよー。」

「!!」


それだけ言ってさっさと病室を後にするサクラ。
跡に残された私をなるとの間にはなぜか気まずい空気が…。


って言うか忘れてたのに思い出させないでよ。
折角立ち直った気でいたのに……。


「…今サクラが言ったことは忘れてください。」


何よりナルトに聞かれたって言うのが一番恥ずかしい。
まぁでも、ナルトは人の恋愛とか気にするような奴じゃないだろう。

「………。」


なせ黙り込む。
余計気まずくなるじゃん!!そこは気にしてねぇよ、って軽く流してよね!!


沈黙が痛いぞこのやろぉおお!!


「俺、そろそろ帰るわ。退院良かったな。
あと、明日から修行とか考えてるんだろうけど退院して2かはおとなしくしといたほうが身のためだぜ?」


ポン…

と私の頭を優しく撫でてくれる。
なぜかその手に無性に安心感を覚えながらも子殿扱いされた気分でちょっと嫌になる。


「オカンか!…すぐに強くなってナルトに追いついてやるんだから!」


「ばーか、姫ごときがちょっとやそこらで俺に追いつけるわけねーだろ。
無理すんなよ。じゃ……また、明日。」


パタン……



また、明日。

って……


「明日も来るんだ、……でも、今のセリフは――…。」



あの時と




同じ。










*

ナルトside



事件から一夜明けて病室に見舞いに行くと姫は元気そうだった。

何で見舞いに来たのかは分からないが……


この前シカマルが姫に告られたと聞いてからどうも俺自身変だ。


姫がシカマルを好きといっている姿を想像するだけでムカつく。
それにもし、シカマルが姫と付き合うことになったと言ったら多分俺はシカマルを殺していたかもしれない。


……俺は姫が好きなのか?

まさか。あんな何処にでもいそうな女。それに弱いしバカだし……。


そんなことを考えながら姫の病室にいたらサクラが入ってくる。

タイミング悪いな。


それに最後の去り際に


「シカマルとどうなったか」


なんて言いやがって。
あぁ、収まっていたイライラがまた復活してきた。


それなのに姫は

「忘れて」

なんて言いやがって…。


忘れられるかバカが。


このままいたらまた姫を傷つけてしまうかもしれないと思って帰ろうとして
つい「また、明日。」なんていってしまった。


来るつもりなんてないのに。


でも言った後に
あぁ、また明日も姫に会える口実が出来た、
何て喜ぶ自分がいるんだからもう重症だ。


きっと俺は姫が好き、なはずだ。




でも、このときの俺はその"明日"が"普通ではない"ことをまだ知らないでいた。









.

  









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