最近愛しのなまえがお洒落をするようになってきた。今までは気にもとめなかったのに。化粧までは流石にしないけれど、洋服を購入したり、髪をていねいに梳いたり。彼女のぬいぐるみしかない殺風景だった部屋はかわいらしい棚やカーテンに埋め尽くされた。監修がボニトナとバーラなこともあり、大人っぽくなったと思う。 まあ、そのお洒落が私に対するものならば私はとても嬉しかったのだけれど、実際は彼女の目的は私の兄。あー苛立たしい。 「アイシー、どうかしたの?」 「…クララ、今のなまえを見てもそう思うの?」 「…随分可愛くなったわよね。流石の私でもどきーっとするわ」 頬杖をついて端の方でボニトナたちと談笑する彼女を見て、クララはほんのりと頬を赤く染めた。元来の無邪気な笑みとさらさらふわふわの髪、対照的に少し大人っぽい私服が見事クララにクリティカルヒットしたのだろう。背伸びをした感じがたまらない…! 「そーよねえ。はー、可愛い」 「顔がにやけすぎて気持ち悪いわよ…あれ」 疑問符を浮かべたクララにならい、再びなまえの元へと視線を戻す。ボニトナたちとくすくす笑うなまえに、近づく不埒な男。なんとそれは、ボニトナらのチームキャプテン、バーン様だった。後ろにはレアンもいる。 「ーっ!?」 「あらら…良かったわねアイシー、恋敵が増えたみたいよ」 なんとはなしにクララはくすくすと笑ってみせた。照れた笑いを見せるバーン様とわしゃわしゃとなまえの頭を撫でるレアン。お洒落の弊害はそれなりに大きいようで。 |