―これはとある職員室での会話。

「今年もまたたくさんの新入生が来ますね。」

「そうね、楽しくなりそうじゃない。」

「八雲校長、去年も同じこと言ってたじゃないですか。」

「そうだっけ?まあ、いいじゃないの。」

「よくありませんよ。去年卒業していった生徒たちは、私達の手には終えないくらい大変でしたよ。」

あら?ととぼけるこの学校の校長、八雲紫(やくもゆかり)。

「忘れるわけないじゃないですか。私はあのクラスの担任でしたから…。」

思わずため息をつくこの学校の歴史担当教師、上白沢慧音(かみしらさわけいね)。

何とも言えない空気が流れる。

「お茶入りましたよ。」

ちょうど二人分のお茶を持ってきて微笑むメイド服姿の英語担当教師、十六夜咲夜(いざよいさくや)。

彼女は英語担当教師をしながら、この学校の清掃員もしている。

校舎がいつもキレイなのは彼女のおかげだ。

「ふふ、ありがとう。いただくわね。」

「わざわざありがとうございます。」

「どうぞ召し上がってくださいな。あ、お茶菓子も用意してきますね。」

「あら、いいの?なんだか悪いわね。」

咲夜は机の引き出しへと向かった。

「十六夜先生!喉が渇いたからこっちにもお茶入れてくれない?」

疲れたげにパソコン画面から目を離したのは、化学担当教師の八意永琳(やごころえいりん)。

「わかりました。八意先生。」

忙しいことに馴れている咲夜は全く気にしない。

「悪いんだけど、ついでにあの人にも持っていってあげてくれる?」

「はい。宿直室の人ですよね。」

「さすが、わかっているじゃない。」

「八意先生、どうぞ。」

「ありがとう。」

咲夜はお茶とお茶菓子を持って宿直室へと向かった。


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