無事に入学式が終わり生徒たちはそれぞれの教室に向かっていた。
新入生は自己紹介やらしているが上級生はフリートークの真っ最中であった。
そのころ三年生の教室ではこんなことが起こっていた。

「霊夢!勝負しようぜ!」

「はぁ?教室で!?魔理沙、ちょっとは場所を考えなさいよ!」

場所を考えずに発言する魔理沙を一喝するのは学級委員長の博麗霊夢(はくれいれいむ)。

「いいじゃんかよ。いざとなったら私が魔法でどうにかしておくからさ。」

「そうじゃなくて…あんたには副学級委員長としての自覚がないわけ!?」

こう見えても言い出しっぺの少女、霧雨魔理沙(きりさめまりさ)はこの学級の副委員長である。
…仕事はほとんど霊夢に任せっきりだが。

「ないことはないぜ。よし、いくぜっ!霊夢!」

「ちょっと…今ダメって言ったばかりじゃない!」

魔理沙が箒にまたがり右手を振りかざした瞬間…。

「ストーップ!」

二人ではないもう一人の声がした。

「もう、教室で暴れられたらみんなの迷惑になるじゃない!」

声の主は金髪のショートボブに赤いカチューシャをつけた少女、アリス・マーガトロイドだった。

「げっ!?アリス…?」

「周りのことを少しは考えなさいよ!」

「う…すまないな…。」

アリスが出てくると魔理沙は反省した。

「次からはちゃんと気をつけなさいよ。」

「わかったぜ。」

「もう!なんでアリスのときは反省するのよ!」

自分が学級委員長にもかかわらず注意を無視されたのが気にくわなかった。

「まあ、納得したみたいだしこれでいいわ。ありがとね、アリス。」

「どうもいたしまして。」

そう言うとアリスは二人の側を離れた。

「なあ、霊夢。そういえば早苗は?」

「もう少ししたら戻ってくるみたいよ。」

「そうか。あいつは生徒会役員だし仕事がそれなりに多いんだろうな。全くとんだ真面目ちゃんだぜ。」

「…あんたと違ってね。」

「うっ…、まだ引きずってんのかよ。」

霊夢は一度機嫌をそこねるとなかなか直らない。魔理沙や早苗は古くからの友人なのでもう慣れている。




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