紅い海


妖怪ぱろ(鬼×妖狐)
とてつもなく短い。












燃える様な紅を放つ、彼岸花咲き乱れる野原。銀狐は、それを紅い海と比喩した。

人間が魚や動物を食う様に、俺は人間を喰らった。そして喰った人間の魂を彼岸花に変え、海岸近くの山に植えて海を作った。俺の血肉となった人間達に少しでも恩返しがしたくてやった事を、他の鬼達は、異端だと言う。

さんざん馬鹿にされた海だったが、この美しい銀狐だけは、紅い海を奇麗と言った。
変わってんなあんた。貴様もだろう。ああ、そうだな。海に溺るる鬼と狐の銀糸が、潮風にさあさあとなびく。


彼岸花の海に抱かれたあんたは、なによりも美しかった。


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bkm
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