その1


「大丈夫、優斗さん?」

もう夜の0時を過ぎたころ帰ってきた優斗さんはソファにもたれていた。
ネクタイを緩めたところで力尽きたように動かなくなってる。

「はい、お水」

近づいてミネラルウォーターの入ったグラスを差し出す。

「……ん、ありがと」

そう言うけど一向に取ろうとしない。
優斗さんの足元に膝をついて顔を覗き込む。

「優斗さん?」

別に具合悪いとかじゃなく、たんによっているだけだ。
いつもはこんなに酔って帰ってきたりしないから珍しい。
お酒の匂いがぷんぷんするけど俺はそういうの慣れてるから気にせずに、グラス口元に近づけてあげた。

「飲める?」
「………」

ぼそぼそっと優斗さんがなにか言ったけど、小さすぎて聴こえなかった。

「え?」

今度は耳近づけたら、またぼそぼそ言ってくる。

「……口うつしが……いいな」

とろんとした目が俺を見て、俺は一瞬ぽかんとしてしまった。

「う、うん」

なんか酔っぱらった優斗さんちょっと可愛いなーなんてニヤニヤしながら早速水を口に含んで優斗さんの唇に押し付ける。
半開きになった唇に水を流し込んで、ごくんと優斗さんが飲みこむ。
だけど口の端から渡し切れなかった水がこぼれてて―――なんかエロい。
そんなことを考えながら何回か繰り返して水を飲ませてあげた。
優斗さんは水飲んで落ち着いたのか落ちたのか反応がない。
寝たのかな、って優斗さんを眺める。
ていうか……やっべぇ。
飲みこぼした水が首を伝って落ちていて、緩めたネクタイと肌蹴たシャツから覗く肌が酒のせいで赤くそまってて、なんかエロい。

「……なつ……くん、水」
「え、あ、うん」

寝たかと思っていたら起きてたらしい優斗さんにまた口うつしで飲ませてやって―――なんとなくそのまま舌を絡めてみた。
身体は動けないみたいだけど舌はすぐに絡みついてくる。
でもいつもより反応は鈍いから俺が主導で吸ったり裏筋舐めたり、自由勝手に優斗さんの咥内を犯した。
あー……やばい、反応してきた。
ずくずく下半身に熱が集まってくる。
水音をたてながらそのまま舌絡めつづけて、そしてシャツをズボンから引き抜くと裾から優斗さんの肌に手を這わせた。
熱く火照っている肌に指を滑らせて撫でると小さく優斗さんの身体が震える。
手を動かしていって胸の突起をいじってみた。

「……ッ」

酔ってるときって身体中敏感になるもんだよな。

「なつ、くん……」

明らかに反応してる優斗さんが力の入らない手で俺の腕を掴む。
目を覗き込んでみたら熱っぽく潤んだ目が俺を見ていて、スイッチが入ってしまった。

「シていい?」

ぺろっと唇舐めて訊いてみたら、小さく優斗さんが頷く。
了解を得たのでさっそく優斗さんの首筋に顔を埋めた。
ネクタイ締めれば見えない位置に吸いついて痕を残しながらボタンを外していく。
週一ジムに通っている優斗さんの身体は適度に筋肉がついていて綺麗だ。
男に綺麗っていうのもあれだけど、綺麗なもんは綺麗だからしょうがない。
俺は優斗さんが動けないのをいいことに好き勝手にシャツの前を全開させてキスを落としていった。




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