Sweet Birthday 6


頭の中沸騰するくらい気持ちいいキス。
だけどそれだけじゃ足りなくなってくる。
触れたい、触れられたい。
そんな俺の気持ちを察したように背中に回ってた優斗さんの手が動きだす。
指先が背骨を辿るようにのぼっていって、そしてゆっくり降りていってズボンとシャツの間にすべりこむ。
シャツが引きずりだされて中へと指が侵入して素肌に触れる指。
肌を伝う指先が悪戯にわき腹や背中を滑ってくすぐったさと同時にそれだけじゃない疼きに身体が痺れる。
俺も同じように優斗さんの背中に手をまわして触れた。
そういや優斗さんまだ着替えてなかったんだっけ。
くちゅ、と交わる唾液の音を聞きながらシャツ越しに背中をなぞる。
優斗さんの手は背中から前へと回って舌から上へと這い胸の突起を捉えた。

「……っん」

息子だけでなくそこまで硬くなってたらしい触れられる感覚に少し顔が熱くなる。
そっと触れてくるじれったいような疼きに身動ぎすると背中に硬いものがぶつかった。
カタンって音がして、テーブルにぶつかったんだって気づく。
自然とキスが中断されて俺はテーブルの上を見た。

「……ケーキ、食べる……?」

火を消したまま取り残されてるケーキが目に映る。
ぶっちゃけケーキよりいまはヤりたいけど、本当ならケーキ食べてるタイミングだよな。
せっかく実優ちゃんが作ってくれてるんだし。

「そうだね」
「……」

あっさり同意する優斗さんをついじっと見てしまう。
きっと物欲しげな顔になってんだろうな。
俺からケーキ食べるって言ったのにってわかってんだけど。
そんな俺に優斗さんはクスッと笑って―――、ケーキ食べるって言ったのに反比例するようなさっきの続きって感じの情熱きなキスをまた仕掛けてきた。
また一瞬で頭の中が全部欲に埋め尽くされてく。
なのに、

「……ソファで待ってて? 切り分けてくるから」

と俺は優斗さんの膝の上から下された。

「……はい」

無意識に拗ねてるっぽい声になってんのに言った後で気づいて、気まずく視線を泳がせながらソファに行く。
乱れた後ろのシャツをズボンの中にいれるか迷って面倒くさいし……それに、って全部出してしまう。
息子はもう臨戦態勢だし落ち着かなくってもぞもぞしてれば優斗さんはすぐにケーキを持ってきてくれた。

「ありがとう」
「いえいえ。どうぞ」
「いただきます」

これ食べなきゃエッチできないよなー。
いやそのまえに風呂か?!
そういや俺今日体育あったし絶対汗臭い!
食べたら風呂入らせてもらおう。
さっき中断してよかったかも。やっぱ男とは言え汚いのはな……アレだし。
そんなこと考えながら実優ちゃんお手製のケーキを一口。
甘すぎずに手料理と同じく美味しくて自然と頬が緩んだ。

「うまい!」
「ね、捺くん」
「うん?」

もぐもぐ口動かしながら隣の優斗さんを見ると、優斗さんの分のケーキが差し出された。
まだ全然食べてないケーキに首かしげる。

「お願いがあるんだけど」
「なに?」
「食べさせてくれないかな」
「……」

少し照れたように優斗さんが目を細めて、一瞬思考止まったけど、すぐにもちろんって何回も頷いて皿を手に取った。

prev next

TOP][しおりを挟む]

<