19


「う、っ、あ」

衝撃に頭の中が真っ白になった。
びくびくと痙攣する身体。
なのに、そんな状態の俺を気にするでもなく最初から容赦なく激しく腰を打ちつけてくる。

「っ、ちょ……っ、あっ、んっ」

何も考えられないまま揺さぶられながら強すぎる快感に智紀さんの腕を掴む。
ぐりっ、と前立腺を狙って擦りあげながら深く穿ち、智紀さんが覆いかぶさるように俺の身体の両端に手をつく。
上から俺を見下ろす目を見返そうとしたけど、視界が揺れてのけぞることしかできなかった。

「ごめんね、千裕。俺もさんざん焦らしプレイされて一カ月我慢してたから、今日は手加減できないかも」

焦らしプレイって、なんだよ。
と、思うのは一瞬で、すぐに思考は快感の渦に飲み込まれた。
ペースを落とすことなく、ただひたすら揺さぶられ、背中に回ってきた手に抱きかかえられるようにして起こされた。
智紀さんの膝の上で下から突き上げられる。

「千裕」

少しだけ緩くなった動き。
頬を撫でてくる手が額から伝い落ちる汗を拭って、そのまま髪に触れて後頭部を引き寄せる。
唇が動くたびに触れそうになるけど、触れない。
視線だけは絡みとられてしまったようにぶれることなく重なっているけど。

「ちーひろ」

と、甘やかす声音に眉が寄ってしまう。
でもすぐに、緩んでしまう。

「好き」

悪戯気に、そのくせ熱を孕んだ目で言われたら、もうダメだ。
背中をなぞる指とガンガンと突き上げられるたびに声が乱れて息が飛んで。
それでも必死にしがみついて、

「―――……俺も……っ」

そう言って。
俺からキスした。
触れるだけじゃない、大人のキス。
やり方はこの人に教えられたキス。

「んっ……は、っん」

智紀さんの咥内で舌を動かす。下から送られる快感にキスが途切れそうになったら促すように舌を絡められて夢中になって返した。

「……やばいね、マジで」

酸欠になってしまいそうなくらいにキスしあって、また俺はベッドに沈められた。
千裕キスうまくなりすぎ、と唇を舐めながら妖艶に笑う智紀さんは俺の脚を抱え直してまた律動をはじめる。
もう限界は近く俺のものはいつ爆発してもおかしくないくらいに張りつめてるし、後孔からわきあがる快感も目の前をチカチカさせるくらいに強くなってた。

「ッ、ぁ……っ、もっ……」

イク、と漏らせばさらに肉同士がぶつかり合う音が激しさを増して。

「……っあ、っん……ッ」

身体が激しく痙攣し、視界がスパークした。
ぎゅうっと収縮する後孔で智紀さんのものが一際膨張するのを、呻く艶のある声が落ちてきたのを絶頂の端で感じた。

***

prev next
88/105

TOP][しおりを挟む]