BLINDFOLD
「優斗さん、お待たせ!」
捺くんの実家に新年の挨拶に行った後、初詣へ行くことになったんだけどなぜか捺くんはあとから来ると言って、ようやく来たと思えば――俺だけじゃなく道行く人も振り返って見てしまうくらいに可愛く綺麗な振袖姿だった。
「……どうしたの、それ」
「えへへー!コスプレしてみた!かなりデカイけど似合ってるっしょ?」
「うん。すごくきれいだよ」
ウィッグは着けていないみたいだけど髪もキレイに飾って、身長が高いからモデルのようで本当に可愛い。派手じゃない青地の振袖は大人びている。
「今日はこの格好で優斗さんとイチャイチャするんだ♪」
言いながら捺くんは腕を組んできて俺にくっついてきた。自慢げに笑う捺くんに俺も頬を緩め一緒に境内へと歩き出した。
***
「あーれ〜ってやつしていいよ♪」
「あーれ〜?」
「ほら、お殿様おやめくださいーっていうの」
思わず苦笑するけど捺くんがしてほしそうにしてるから俺は綺麗に締められた帯を緩めると引っ張ってみた。くるくるとわざわざ捺くんは回りながらベッドにダイブする。
いま俺たちがいるのはラブホテル。たまには行こうよと誘われ、いまもこうして誘われてる。
「優斗さん、ほら、ちょいエロ」
肌蹴た着物。その下の襦袢の裾を持ち上げて生脚を見せてくる。俺はやっぱり笑ってしまいながら捺くんにのしかかった。
「新年早々そんなに俺を煽ってどうするの」
「んー、えっちする!」
姫始め――はもうしていたけど、もう一回姫始めと、捺くんが俺の首に手を回す。
何年付き合っても変わらず俺を煽って甘くさせる可愛い恋人。今年も溺れさせられそうだなと口元を緩めながら唇を触れ合わせる。舌を絡め合わせて何度も角度を変え深いキスを交わす。
優斗さん今年もよろしくね、と、ぺろりと俺の唇を舐めてくる捺くんに勿論と微笑んだ。
*おわり*
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