BLINDFOLD


除夜の鐘が鳴り終わり、新年が訪れた。今年は正月休みが長いということもあって俺と優斗さんは旅行に来てた。のんびりしたいねーってことで温泉旅行。
「あけましておめでとう! 優斗さん!」
「あけましておめでとう、捺くん」
日本酒を飲んでておちょこで乾杯。いつもと違う風景での酒ってすっげえうまい。いまは寒いし熱いし余計美味しい…って客室露天風呂で雪見酒中。せっかくだから温泉入りながら年越しだ。
「あー幸せ! 気持ちいーし! 寒いけど温かいし!」
湯船から出てる部分は冷たい空気にさらされて寒いと言えば寒いけど熱めのお湯にずっと入ってるからぽかぽかしてる。密着した隣には優斗さんがいるし、新年早々気分がいい。
「本当に贅沢だね。雪も綺麗だし星も。この天気なら初日の出見れそうだね」
「うん! 早起きして見るぞ! この宿押さえたのも初日の出も見れる場所だからだしね!」
「じゃあ早く寝なきゃいけないね」
「……それはそれ! 大丈夫。初日の出見た後また寝ればいいし」
俺の言葉にクスクス笑う優斗さん。俺としてはいっそ初日の出まで起きてればいいんじゃね?と思うわけだ。ヤることなんてたくさんあるし。――って優斗さんを上目遣いで見つめる。
もう付き合って長い優斗さんは俺の考えなんてお見通しなのかまた吹き出して俺の頭を撫でておでこにキスしてきた。
「新年早々身体壊したら大変だし、ほどほどに、ね?」
言いながら優斗さんの手が腰にまわってきて俺はうながされるように優斗さんの足にまたがった。
「うん、ほどほどにがまんする。―――今年もよろしく。優斗さん」
ほんの少し反応してしまってた息子を優斗さんの腹部に擦りつけるように抱きついて、キスして。
絡み合わせる舌の熱さにあっという間に蕩けそうな気分だ。
「こちらこそ今年もよろしく。捺くん」
今年も一緒に新年を元気に迎えられて嬉しいよ、と微笑む優斗さんに、もちろん来年もその次の年もずーっと一緒にだよ、と笑い返した。
嬉しそうに目を細める優斗さんがそっとキスしてきて目を閉じる。
そして新年早々ほどほどにヤって―――初日の出は無事に見ることができたのだった。


おわり☆

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