第1話。なのに会長様攻略編スタート☆


「お前、マジで目ざわりなんだよ。ゆきさの傍から離れろ、クソが」

こえええええ!
親衛隊からの制裁も怖いけど、いま俺の上にまたがって腕を振り上げてる生徒会長コエエエエ!
でもって器ちっせぇえええ!
ゆきさと俺がルームメイトってことと、平凡な俺がゆきさに構われてるっていう事実が面白くないらしい生徒会長がいきなり部屋を訪問してきたかと思ったら腹に一撃くらった。
ちなみにゆきさは他の生徒会メンバーといるっぽい。

「……お、俺は離れたいんですけ――ッテェ!!」

言い終わる前にまた腹に一撃。
最悪! 最悪!
なんなのこいつ!!
生徒会長だかなんだかしらないけど、人気投票で一位かしらねぇけど、やってることチンピラじゃん!
ヤンキーじゃん!!
風紀委員呼んじゃうよ!!?
チクっちゃうよ!!!
なんて、心の中で叫んでも言葉に出すことはできない。
そんなことしたら抹殺されそうで恐ろしい。

「ゆきさから離れろ。嫌われろ。どっか行け」

そんなこと言われても、別に俺はゆきさと友達になったつもりもねぇし!
ただのルームメイトだし!!!
俺の癒しの自室には不似合いすぎる美形生徒会長様は嫉妬と怒りに燃えた顔をして、俺は睨みつけている。
なんて返事をすればいいのか。なに言っても聞いてもらえないし。
とにかく腹が痛くて、うーうー唸ってたら舌打ちされた。

「学校やめろ」

そんなむちゃくちゃな!!

「……無理です」

って即答したらまた殴られた。
イテぇって!!!
なんという横暴さ! 理不尽さ!!!
顔がいいからって、家柄がいいからってなんなんだよ、この! クソはお前だばーかばーか!!!
と、涙目になりながら心の中で叫びまくる。
現実にはガタガタ情けなく俺の身体は震えてるんだけど。
金色のまるでライオンみたいな髪型した生徒会長はキリッとした二重の目を苛立たしげに光らせている。
無駄に整い過ぎた顔が怒りに燃えてるのは本当に怖い。
ヘルプミーしたいけど、助けがくるわけない。
あーどうしようどうしたらいいんだ! とにかく痛いのはイヤだ!!

「……お、俺は」
「――そうだ」

不意に、にやり、と悪魔のような笑みを浮かべた生徒会長がズボンのポケットからスマホを取り出した。

「なぁ。お前がゆきさの隣にいられないように――」

にやにやと、きっと俺がにやにやしたらキモイだけだろう笑いも生徒会長がすればイケメンなままなで、にやにやにやにやしたどうやっても美形な生徒会長は俺に顔を近づけてとんでもない制裁内容を告げた。

「お前の恥ずかしい写メでもとってやろうか」
「……は……ぁ!?」

恥ずかしい写メ!?
なにそれなにそれ、とパニックになってる間に生徒会長の手が伸びて俺のズボンのベルトを外しだした。

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