夜寝る前にA
「なんだよ」
「誰も出ろなんて言ってねぇだろ」
「いま言ったじゃん」
「退けろって言っただけだ」
「意味わからないんですけど」
どういうことだ。
若者の言ってることはさっぱりわからん……って俺も若者だけど。
尚は舌打ちしながら湯船に入って俺と並ぶと腕を引っ張ってつかった。
「うわっ」
二人ではいったらお湯が溢れる溢れる。
もったいねぇーと流れていくお湯眺めてたら腹に手が回って引き寄せられる。
ん?
と思って肩越しに尚見たら噛みつくようにキスされた。
ちなみに今の俺の体勢はというと尚の脚の間に座らせられて後から抱き締められてるなんていうどこのらぶらぶカップルですかオイな感じです。
「んっ」
荒々しいけど俺好みの尚のキス。
そしてごりごりと腰に押し付けられる尚の硬いもの。
お前もう完勃ちじゃん!
誘ってんの誘ってるんだろ、てか、んな太いもの擦りつけられたらお兄ちゃんその気になるんですけど。
舌吸い上げられて咥内舐めまわす尚の舌に舌絡みつかせてぺろぺろしあう。
その間に尚は俺の腰持ち上げてケツの割れ目にずりずりと太いもので擦ってくる。
しかも俺のむくむく大きくなってきてる息子くんを強めの力で扱いてきた。
あーもうまじでヤメテ―いや止めなくていいんだけど。
「っ、あ、尚っ、ダメだって」
「あ? もうその気になってるくせに」
「尚が触るからだろ!」
「ならいいだろ」
「いいけど、って良くないよ! ここ家の風呂だぞ! もし誰か来たら!」
「こねぇよ。もう寝てるだろ」
「いやいや、だめ―――っん、ぁ」
義理の兄弟とは言え、男同士だし、禁断ってヤツだし、親に見つかったら卒倒するぞ!
もうちょっと自制しろ!
と、理性が働くけど、後孔にずぶずぶとはいってきた尚の指に全部隅に追いやられる。
俺のいいところをすでにわかってる尚は指の腹で揉むように前立腺に触れてくる。
「っ、あ、っ、ンッ、なおっ」
「お前のデカイ声のせいで気付かれるかもな」
にやにや笑いながら尚が言ってくる。
んなこと言ったって気持ちいいんだから仕方ないだろ!
風呂の中でお湯巻き込んで指が出入りするのが気持ちよくて腰振ってたらさらに1本増やされてバラバラに動かされた。
あーもう!
「尚っ」
もう我慢できるか!
言ってやる!
「なんだよ」
口角を上げ無駄に男前な面した尚は俺の耳に吐息を吹きかけながらさらに指を増やしてきた。
俺は必死で身体を半分くらい尚に向けて、
「早く挿れろっ」
と叫んだ。
「挿れろ、じゃねーだろ」
ずぼっと尚が指を引き抜いて俺は涙目になりながら尚を見つめた。
「尚のでおにーちゃん犯してっ」
すかさずなんのAVタイトルだよって言葉を叫ぶ。
ドン引きされるレベルの寒いセリフっていうのは素面のときならわかる。
けどいまはもうとりあえず突っ込まれたいってだけで。
それに、
「じゃあ犯しまくってやるよ」
って、尚も変態なのかかなりノリノリになって突っ込んでくれる。
湯船がばちゃばちゃ跳ねるのも構わずに下から突き上げられ、途中からは浴槽の縁に手を置いて後からパンパン腰打ちつけられて。
「んっ、んっー」
声我慢できずにいたらでかすぎたのか尚の大きな手に口塞がれてそれにまた興奮して射精してしまった。
「淫乱」
楽しそうな欲を滲んだ声で尚が言って俺の肩に軽く噛みついてくる。
それさえも気持ちよくて俺はもっと!と腰を振りまくって深夜のお風呂プレイは続いたのだった。
―――それにしても。
尚と初めてヤってから尚以外とヤってないんだけど……、まぁ気持ちいいからいっか!
*おわり*
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