夢の途中 1


「捺くん、髪乾かしてあげるからおいで」

キッチンで風呂上がりにビール飲んでいたら、先に上がっていた優斗さんが手招きしてくる。

「ん」
優斗さんの分のビールも持っていってソファに座る。
こうして風呂上がりに髪を乾かしてもらうっていうのはたまにあった。
忙しいときはないけど、休みの前とかそういう日。
でも今日はまだ水曜日だ。

「お願いします」
「はい」

にっこり笑って優斗さんがドライヤー片手に俺の髪を乾かしはじめる。
自分でするときはなんも思わねーのに、優斗さんに乾かしてもらってるってだけですっげぇ気持いい。
つーか癒される。

「熱くない?」
「うん、大丈夫」

頭皮や髪をすいていく指の感触に目閉じて乾かしてもらった。
それから少しして「終わり」とドライヤーの音が止んだ。

「ありがと」

お礼に―――ていうか、俺がしたいからキス。
ちゅ、と触れあわせて、至近距離で目を合わせるとふっと微笑まれて俺もだらしなく顔緩めて、今度はディープなキスをかわす。
優斗さんと触れあうのは大好きだし、まだ若いし?
平日も毎日じゃねーけど、えっちはそこそこしてる。まぁ激しいのは週末だけど。
でも今日はちょっと激しくてもいいかなぁとか思うのは、明日木曜から土曜まで優斗さんが出張でいないからだ。
舌絡め出すと同時に優斗さんの手が腰に回って俺を抱き寄せる。
俺も優斗さんに抱きついてキス堪能しながらあっさりと熱を上げていく身体をこすりつけた。

「ベッド行く?」
「行く」

くちゅ、と唾液の糸ひかせて唇離して、額同士をくっつけて囁き合う。
やっぱり勝手に顔が緩んで、俺は早速と優斗さんの手を取ると寝室に向かった。
ふたりでベッドになだれこんでもつれるようにして抱きあう。
優斗さんの舌が手が俺に触れてくるだけで、本当に気持ちよくって、幸せだなっていつも思う。

「……んっ……ぁ」

着ていたものを脱ぎ捨てて、素肌をくっつけあって、固いものを擦り合って、俺の中に優斗さんの指が沈んで。
数えきれないくらいえっちしてもしてもしたりない。
肌を重ねるたびに煽られてわけわかんなくなる。

「……っ、優斗さん……っぁ」

前立腺をこすってくる指の動きに腰を揺らして、キスをねだって熱い身体を一層熱くさせていく。
俺だけじゃやだから優斗さんのものに指絡めて上下させて。

「……捺くん、ストップ」

先走りを溢れさせてる優斗さんのものに必死に刺激を与えてたら後孔を激しく掻き混ぜられて、俺の手に手が重なる。

「そんなにされたら、イっちゃうよ。捺くんの中でイかせて?」
「……っ……うん」

優斗さんって自分がどんな顔してんのかわかってんのかな?
優しい微笑み浮かべて、でもすっげぇ艶っぽくて色っぽくって、見つめられるだけでヤバくなりそうなくらいエロイって自覚あんのかな?
挿れて、って言ったら、エロい顔って笑われて、優斗さんのほうこそ、なんて返しながら、優斗さんのが俺の中に挿ってくる。
圧迫感ももう俺の中では快感でしかない。
ゆっくりと俺を気遣って挿入してくる優斗さんを急かすように腰を揺らせばまた笑われて貫かれた。

「ッ……ぁん……っ」

根本まで埋まった優斗さんの熱と固さに身体が疼いて、繋がってるんだな、って実感して嬉しくなる。
乙女かって思うけど、やっぱ距離がゼロになるのってすっげぇ嬉しいし。
熱っぽい呼吸を落とす優斗さんが色気ダダ漏れで、煽られて興奮しまくる俺は優斗さんの首に手を回して唇を塞いだ。
水音を立てながら舌を絡めていくと、優斗さんがゆっくりと動き出す。
前立腺を抉るようにして出入りする優斗さんのものに腰から全身へと刺激が走り抜ける。
頭ん中ぐつぐつ滾って、どろどろになりそうな予感に肌が粟立って、もっともっとってキスを交わす。

「……捺くん…」

息継ぎの合間に掠れた低い声で俺を呼ぶ優斗さんの声が愛しい。
もっと、もっと、興奮しちまう。

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