おまけ。


「捺と優斗さん、どんなバレンタイン過ごしてるんだろうね」
「……例のアレしてんじゃねーのか」
「いくら捺がバカだからってそれはないんじゃないのかな」
「いや、真剣に見てたぞ……」

これ、と修悟がテーブルの上に一冊の女性誌を放り投げた。
大学で同じ専攻の女友達が見ていた一冊。
バレンタイン特集の記事を捺が食い入るように見ていたのは二週間ほど前だ。
そのバレンタイン特集というのが『いつもとは違うアナタで可愛くえっちに☆彼を誘っちゃおう!美味しく召し上がれ♪』なんていう意味不明のもので。

「……まぁいいんじゃない。捺、顔はいいからベビードール着ても似合うだろ」

朱理がパラパラとめくったページには可愛いモデルがベビードールを着てポーズを取って載っている。

「なんならお前も着てみる? 修悟」
「……ふざけんな。バカ捺じゃあるまいし」
「そうだね。修悟は似合わないしね。きっと優斗さんも楽しい夜を過ごしてるんだろうな」
「……」
「……」
「……」
「ところで、修悟。これ、いつ使うんだ?」
「げっ!!」

にこり、と笑う朱理の手には修悟がこっそり注文してみたはいいが出すに出せずにしまっておいた食べてもOKなローションのチョコ味。
さきほどのバレンタイン特集で紹介されていたアダルトグッズの一つだった。

「じゃ、俺たちもバレンタインしようか」
「……ちっ、しょーがねーな」
「ほんと……ツンデレ」

ため息をつきながら―――朱理と修悟の夜も甘く更けていった、らしい。


おまけ、おわり☆

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