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 ホームルームのチャイムが鳴り響
 く。途端に場所が変わったかのよ
 うに校内が騒がしくなった。

 私はいつものように部屋に向かい
 椅子に体を預け紅茶を1口。
 …不本意だが美味しい。どこぞの
 俺様生徒会長の話を少し聞いてや
 ったら(これも不本意だ)何処で私
 が紅茶を好きだと聞いたのか、こ
 の茶葉を10缶ほど御礼だ、と置い
 て行ったのだ。見るからに高級そ
 うな茶葉を10缶も。

 …これだから金持ちのボンボンは
 嫌だね。庶民への当てつけか。

 ちなみに私はこの金持ち校に通う
 数少ない庶民である。最初は金持
 ちのお坊ちゃん・お嬢さん方の考
 えに着いて行かれず戸惑った。今
 は大概何を聞いても驚かなくなっ
 たのだが。慣れって恐い。

 …おっと話が逸れてしまった。ま
 あそんな生徒会長様が置いて行っ
 た紅茶は高級なだけあって美味し
 いのだ。もう1度言うが不本意な
 がら、ね。

 ――コンコン

 ふとノックの音が響いた。今日の
 この時間は相談予約なんか入って
 いないはずなのだけど……

 ドアを開けると

「ずいぶん出迎えが遅せぇじゃねーの
 アーン?」

 …すぐ閉めてやった。
 噂をすれば何とやら、というやつ
 だろうか。

 でもね。君らテニス部と関わると
 面倒なんだ勘弁してくれないか!


   実に面倒だ。
 〜王様の場合〜



 努力も虚しく俺様キングに入られ
 ました。最悪だ。

「ったく誰のおかげでこの部屋がある
 と思ってんだ」

「少なくとも君のおかげではないよ。
 …私の努力じゃないか。先生が認め
 てくれたのも」

「校長にここ勧めたの誰だと思ってん
 だ?」

 ……校長が来たのは驚いたよ。怒
 られるかと思った。

 …じゃなくて!え、この流れはま
 さかじゃない?みたいな。

「他でもねぇ俺様だ」

「……(絶句)」

 嘘だろ…。誰が言ったか気になっ
 てはいたけどまさかよりによって
 あんたかよ校長に言ったの………
 あの時は散々グチ聞かされて大変
 だった。金出せって思ったよ本当
 に…(遠い目)。

「何フリーズしてんだ?俺様の色気に
 見とれたか」

「……(遠い目)」

 しかもあの後校長はグチばっか言
 って行くし挙げ句の果て理事長と
 か出て来てさ……ああもう思い出
 したくもないよ。

「おい、工藤!…しょうがねえな」


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