ksxx5

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「――――――…だ、やだっ……お父さん助けて!兄ちゃっ、助けてぇっ!!!」























ベッドに横になったままパチッと目を開く。
―――――またか。
頭痛ぇ。
喉はカラカラでパジャマは汗でべったりだ。
枕元に置かれている水を飲み、時計を見るとちょうど1時を差している。
着替えてから寝直そうと、とりあえずベッドから出る。
近くのクローゼットから別のパジャマを取り出し、着替えてから再びベッドに潜り込む。
たまに幼い頃の夢を見る。
最近は特に頻繁だ。
もうかれこれ10年ぐらい経つだろうか。
俺は一度だけ身代金目的で誘拐されたことがある。
父親が議員の為か、誘拐犯たちは高額を要求した。
払ってくれなかったらどうなるんだろうと捕まっている間、何度も思った。
申し訳ない気持ちにもなった。
そして誘拐犯たちは泣きじゃくる俺を犯した。
どんなに叫んで、暴れて抵抗しても所詮子供。
大人の力に敵うはずがない。
恐ろしく気持ちが悪かった。
親父が金を払ってくれてようやく俺が解放されたのは何日か後のことだった。
食事は殆ど胃が受け付けなかった。
なにしろ何日も男たちの相手をしていたのだから無理もない。
それでも必死に飲み込んで後から吐く、ということの繰り返し。
誰にも話さなかった。
否、話せなかった。
10年経った今では人並み程度に下ネタを話せるくらいには回復した。
けれども、性行為はしていない。
女とも、勿論男とも。
そのせいか周りがどんどん童貞を捨てていく中、高3になっても俺だけは未だにチェリー。
そのせいか少し色恋沙汰には疎い…らしい。
銀曰く。
銀とは高校2年のときから同じクラスで、なんとなく気が合って一緒にいる。
でも銀にも、クラスは違うけど中学から一緒の井上にも近藤にも、勿論話したことはない。
だからずっと彼女がいないことを不思議がってる。

「ルイモテるのに〜まっ、銀さん程じゃないけどねぇ」
「ルイさん…なんでですか、ね?」
「………作らねぇんだよ」

そう言うしかなかった。
この先ずっとかなぁ、と思いながら瞼を閉じた。



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