ksxx5

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lover's quarrel



「―ホントお前は勝手だよなっ!!俺のこと、何だと思ってんだ!最初っから体目当てだったんじゃねぇのカッッ!!?いっつもいっつもセックスばっかで…ちっとも俺の気持ちなんか考えてねぇだろっ!」
もーーー知らねっ、お前なんか!!
「‥別れるっ」





































「…あのさあ、あいつと別れんのは勝手だけど毎回俺ンとこ転がり込むの止めてくんない」
「………」
「お前がいたら雲水とイチャイチャできねーじゃん」
「…………」
うるせぇ。黙って慰めろ。
悪いな葉柱、なんて少し困ったように言われると悪いことしてる気になる。
阿含には悪ぃと思わねーけど、なあ…。
「―あいつら、舎弟がいんだろ。そっち行け」
「………カッ…」
しっしと半ば追い出されるようにして神龍寺の寮から出る。神奈川から結局東京に戻って。
賊学は近ぇから嫌なんだ、ホントは。でも結局いつもガッコの奴等に世話ンなってる。




























* * * * * *






























「―酷ぇっすね、」
「葉柱さんのことなんだと思ってんすかあの悪魔」
「全くよぅ…、俺がっ…、どんな思いで、まいにち…っ!」
「葉柱さん…」
「…むっかつく、」
部室に酒持って集合、葉柱さんの改造ゼファーが表にあったから深夜にも構わずドンチャン騒ぎ。
最近あんま俺らと遊んでくんねーからさ、葉柱さん。みんなテンション上がってんの。
「…ルーイー」
どしたのさ、と既に酒が入ってるらしい銀さんがツンさんとやってくる。
「ぎんンー‥!」
酒を煽って銀さんに絡んでる葉柱さん。
「…ヒル魔?」
「あいつがぁー‥!」
うわーんと泣きながら銀さんに話し出す葉柱さん。
なんでも、毎日セックスを求められるらしい。
「‥あいつ、まじでヘンなことしてくっしっ…!」
「それは‥大変、」
くすっと笑いながら聞いてる銀さんは葉柱さんに怒られてる。
「聞いてんのかよ…。銀ーっ」
「―で?えっちばっかしてっから好きなんじゃないかと思って?」
「だって…!腰痛いって言ってんのに無視する、」
「ははっ、ヒル魔らしー」
………笑い事じゃないです…。
「…別れてやる。あんなやつ、」
言い切ってぱたっと倒れた。
「あー…」
すーすー寝息が聞こえる。
「ど、するんすか…?」
まさかヘッドをこのまま寝させとくわけにもいかねーし。
何より、血走った1年の目がやべぇ。酔った葉柱さんは初めてだしな、無理もねぇかも。
頬はピンクに染まってっし、着衣も乱れて…鬱血の痕が艶かしく映る。
「ぅうン…、」
むにゃむにゃと寝言を言いながら傍にいた俺に擦り寄ってくる葉柱さん。
「………………」
無意識にゴクリと唾を飲み込む音が聞こえた気がした。
―ダダダダダダダ!
刹那、マシンガンの銃声。
げーーー‥
「……………………チッ…、」
ガタンっ!とドアが開いて、風と共にマシンガンを担いだ不機嫌オーラ全開のヒル魔がやって来た。
「ルイー彼氏が迎えに来たよー」
いつもの情景。だけど。
「おら帰んぞ」
「………………」
「‥‥‥‥‥」
起きる気配のない葉柱さん。
「…つーかヒル魔もわざわざ迎えに来んだな」
「あ゙?」
「ほっときゃいーのにさあ。ソッコーで迎えに来んじゃん、いっつも」
「文句あっか」
「イイエー」
「…起きろ」
「今回は結構マジっぽかったよ、ルイ」
「どーせいつものことだろ」
「………だといいけどねぇ、」
「糞カメレオン。さっきので起きたのは分かってんだ、帰っぞ」
葉柱さんの目がぱち、と開いて。
「………………………ふん」
「…無理矢理連れて帰っぞ」
「やだ」
「あのなあ…、」
「だってヒル魔。俺のこと好きじゃねーもん。だから帰んねぇ、別れる」
うわー‥
「…………………。糞」
「‥‥‥‥‥」
「…何が嫌なんだよ」
「ぜんぶ」
「あ゙ァ?」
「…えっちがしつこい、ヘンなモン使おうとする、ヘンなこと言わせようとする、いやっつっても無視する、」
「相当やってんね、」
「うるせぇ」
「……俺以外の“オンナ”がいる。そうだろ?別れてーならそー言えばいいじゃねぇか…」
葉柱さんの声が小さくなって、同時に鼻を啜る音がする。
「何勘違いしてんのか知らねぇが別れる気ならねぇぞ、俺は。だいたい‥女なんていねぇよ」
「‥う、そ・だって…、」
「あ゙…、あ?あれか、もしかして」
「………」
「…コイツ?」
ヒル魔が胸ポケットをごそごそして、一枚の写真を取り出した。
そこには、サングラスをかけたヒル魔と金髪美女。二人はヒル魔の運転する真っ赤なスポーツカーに乗って太陽を浴びてた。
「…家に、あった、のは、キス、してた」
「あー‥あったかもな」
「…しかも、俺には仕事、って…言った。日、だった」
「立派な浮気、デスネ」
「糞!違ぇよ!キスなんて挨拶みてーなもんだ、」
「他にも、そいつじゃねぇ奴の写真、とか、あった、」
「大変おモテになりますねー」
「糞銀パ茶々入れんな」
「…はぁい」
「ベッドルームで撮ったやつもあったの、見た、」
「…お前あれ見たのかよ…」
「何」
「……………」
「‥‥‥ほら、言えねぇじゃんか…」
「チッ、」
「…帰れよぅ‥」
「‥‥‥」
ヒル魔は盛大に溜め息を吐くと、べりっと俺にくっ付いていた葉柱さんを無理矢理剥がした。
「な、にすんだっ!帰れよっ、帰れーっ!」
ヒル魔は暴れる葉柱さんを担いで。
離せだの、いやだだの聞こえるが誰にも助けに入ることが出来ないので諦めるしかない…。
「…お前ら手出すんじゃねーぞ…?」
確実に俺ら(特に1年)に威嚇してヒル魔は葉柱さんを連れて帰って行った。


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