哀願
「最近、葉柱さん見ないスけど…」
最初に言ったのは誰だったのだろう。
思えば、先週辺りから姿が見えない気がする。
「……………」
「……………」
一瞬、銀さんとツンさんの周りの空気が冷めた気がした。
* * * * * *
「ルイ…」
「も、っ…やめて・くれ…ッ!」
気が変になりそうだ。
今がいつなのかも分からない。
分かっているのはヒル魔の体温。ただそれだけ。
バシッ…
また、だ。
「んだよ、てめぇ。あんだけ言ったよな、あ゙?」
前髪を掴まれて無理矢理ヒル魔の方を向かされる。
―――何度目?
「てめーには言っても分かんねぇみてーだな」
「んなこと‥っ、「うるせぇ喋んな」
「ヒル魔ッ…!」
バシッ、と平手打ち。
もう、ヒル魔は銃を俺に向けたりはしない。その代わり、殴ったり蹴られるのは日常みてーになった。
「いたい、っ…やめてヒル魔‥」
「てめーは黙って腰振ってりゃいーんだよ」
バシッ、とまたケツを叩かれてヒル魔が動き出す。
ぐちゅっ、ぐちゅ…、とろくに慣らしもせずローションを塗っただけの後孔から卑猥な音が聞こえる。
「ぃ、ッ…!」
剥き出しのコンクリに声が跳ね返って耳に届く。
「ぅァ…っ!」
自分が立てた爪痕と血と、精液がうっすらと涙で霞んで見えた。
「あ゙ぁあぁああ……‥‥‥!」
死なねぇ程度に壊してやる…そう聴こえた気がした。
Fin.