ksxx5

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片恋

目の前には自宅の天井。
俺のマンションとは違ってシャンデリアがある。
起き上がろうとして、断念。
頭痛いしだるい。
枕は湿っぽくて。
泣いたんだ、俺。
昨日の光景が目について離れない。
いつも着ている制服ではなくスーツに眼鏡。
女をエスコートする姿が手慣れててすごく年上に見えた。
あれって彼女だよな…
よく見なかったけど美人だった気がする。
ヒル魔カッコよかったな……
――――カッ!?
何言ってんだ俺!
はぁ…
やっぱり諦めないと。
思った途端、目に涙が溢れる。
それは枕に染み込んでいく。
飯はお手伝いさんに部屋まで運んでもらった。
幸い、何かと心配してくるママはお茶会。
その日は殆ど部屋から出ずに過ごした。























月曜になった。
ヒル魔を迎えに行かないと。
起きて鏡を見ると目が赤く腫れていた。
シャワーを浴びると少し腫れが引いている。
この分だとヒル魔に会う頃には目立たないだろ。
白ランと愛車はマンションだから適当な服を纏い、髪を固めて自宅を出る。
自宅とマンションの距離はそんなに遠くない。
歩きながら時間を確認。
5時20分。
いつもより早めに起きたのに遅刻しそう。
マンションからヒル魔の自宅までは15分くらい。
5時40分には到着してないと忽ちマシンガンの餌食だ。
速攻で着替えてなんとか5時40分到着。
マンションの玄関に入った途端、ヒル魔登場。
危なかったー
「…おい」
呼ばれて顔を上げると紅い瞳に見つめられた。
あんまし目の辺りを見ないで欲しい。
分からないだろうけどまだほんの少し腫れているかもしれないから。
「………っ、カッ!なんだよ」
居たたまれなくなって目を逸らす。
「いや、なんでもねー。早く行け糞爬虫類!」
「だから爬虫類じゃねぇって」
そう言ってエンジンをかける。
「てめぇのせいで遅れるかもしれねぇ。飛ばせ!!」
「…へいへい分かりました」
緑の制服を着たヒル魔を乗せて泥門へ向かうべく、俺は朝の道路を飛ばした。

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