ksxx5

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片恋

黒いスーツと白地に紺のストライプのシャツ。
スラックスも靴も黒。
髪は脱色したとは思えない綺麗な金色。
それを立てるでもなく軽く別けて、極めつけは黒縁眼鏡。
顔は欲目に見なくても整ってる。
―――が黒いリムジンに乗るのを見た。
あれは間違いなくヒル魔。
奴隷ではなくなった今でも俺をこき使う泥門の悪魔。

なぜ、ここに。











































いつも通り泥門まで愛車を飛ばして悪魔様のお迎え。
ヒル魔を自宅まで送って口を開く。
「わりぃ、明日放課後迎えに行けねぇわ」
「ん」
「ほんっっとごめん!親父たちにどーしてもって……………ぇ?」
てっきり断られると思ったのに拍子抜け。
まぁ、断られたとしても何とかして明日は親父たちに付き合わなければいけないが。
「俺も明日は用があるから帰りはいいぜ。その代わり朝はいつも通り、遅れんなよ」
「カッ、わかってんよ」


























ちゃんと朝はいつも通り泥門の朝練に間に合うように迎えに行って。
明日は日曜だから月曜の朝に迎えに来い、と言われて泥門を後にした。




























俺は家族で横浜にあるホテルに来ていた。
なんでもこのパーティーは将来の政財界に大切なんだそうだ。
でもはっきり言って俺はそんなものに興味はない。
固い格好も、笑顔を貼り付けていることも嫌いだ。
それに兄貴もいるしな。
でも親父に半ば強制的に連れて来られたのだ。

半時も経って、笑顔を貼り付けているのが苦痛になってきた頃。
「ルイ!」
後ろから声を掛けられて振り向くと王成がいた。
まぁこんなんでも大企業の社長令息だしな。
「王成…久しぶりだな」
自然、顔が綻ぶ。
「まぁな。最近どうだ?」
「んー、まぁまぁかな。王成は?」
「それより、今度拙宅でパーティーを開催するのだがルイも来ないか?」
「…考えとくよ」

























暫くして、王成と別れた。
けっこー時間が経ってたみたいで。
「ルイちゃん!そろそろ行くわよ」
ママが呼んでる。
会場から出て、ロビーで車を待っているとき。
なんとなくエントラスに目を向けたら。
黒いリムジンに乗る金髪。
隣には美女。
よく見るとそれはヒル魔だった。
その後のことは覚えていない。
気が付いたら自宅のベッドの上にいた。

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