体から
「セックスしてーなー。なあ、セックスしよーぜセックス!」
なに言ってんだこの馬鹿は。
「しよーぜ?」
…ヒル魔、と声をかけられて俺に言ってんのかなんて二人っきりしか居ねぇ部屋なのに分かり切っていることを言う。
「ヒル魔ー」
駄々っ子みてーに甘えを含んだ声で俺の名前を呼ぶ。
「なあって。」
糞、うるせーな。
視線はパソコンに向けたままそう心の中だけで呟く。尚も甘ったれた声で呼ばれて仕方なく目線を向ければにこにこ笑ってる馬鹿が目に入って阿呆らしくなった。
「ヒル魔ーセックスしよーぜー?」
「……………」
「俺が下でいーからぁ」
「………ふざけてんのか」
「ヒル魔下がいいならそれでもいーよ」
「ふざけんな糞」
「俺どっちでもいーからぁ」
初めてってわけじゃねーし、なんて言葉が聞こえてきて性能の良い耳を疑った。
なんだと?
「お前俺とヤりてぇの?」
「…ん。だめ、かよ…?」
「俺のこと好きなのか」
「…好き」
「………………」
「…………って言ったらヤらしてくれんの?」
「…さあな」
「……じゃあやめとく?俺はしてぇ、けど…ッ」
煩ぇ口を塞いでそのまま引きずり倒してキスした。酒臭ぇなおい。
「望み通りヤッてやるよ」
酔ってる相手に致す趣味はねぇがお前が誘ったんだからな。
乱暴に服を剥いで胸に唇を這わせた。ビクビクと反応を見せる葉柱に理性が飛びかける。
ローションをたっぷり垂らして指を差し込む。びくり、と僅かに葉柱が痙攣したがすんなりと飲み込んでいったのを見るとホントに慣れているらしい。
二本目も飲み込み、浅く抜き差しをすれば触ってもいない葉柱自身から先走りが溢れた。
「ケツいいのかよ」
予想以上の蔑んだ言い方に自分でも驚く。
「…ん…」
控えめに頷いた葉柱にカッと目の前が赤くなる。それを無理矢理抑え込んで三本目を射し込んでやると目尻に涙を浮かべて口を抑えてる。
「………」
そりゃそうだよな、俺は既に勃起していて臨戦態勢だ。
「………俺…やろっか…?」
ベルトの途中で止まった俺に葉柱がおずおず、といった風に声をかけてくる。
「やってくれんの」
寛げた状態で目の前に突き付けてやれば少し迷って下着の上から撫でる。取り出した自身を緩く扱いて先端に可愛らしいキスを何度かしてからゆっくりと特有の舌で舐めて口内に招かれた。手を動かして追い上げられる。
「……っ」
淫猥なその様子に息が上がる。
正直葉柱のフェラはそんなに上手くもねーが、"葉柱"が"俺の"を咥えてる事実に興奮する。
伏し目がちに咥えている様子を見ながら手触りの良い髪を触って項を撫でる。びくり、と跳ねた様子に気を良くして口内で育てられたソレを引き離した。
「…ん…」
葉柱の口元から糸が引いて切れる。
ぽーっとしてるのを拭ってやってからゴムを取り出す。
「………待っ、」
「んだよ」
やっぱナシとか聞かねーぞ。
「…………っ。生…で…いい、から…」
「………知らねーぞ」
「…ん。いい、から」
ゴムを開けようとした手を阻まれて数回扱いてローションを塗り付けた。
「………っ…」
そのまま足を持ち上げて宛がう。ぐっ、と体重をかければ先端が少し飲み込まれた。
「…っ!は、んン…っ」
「…キツ、」
今更止めることなんか出来るはずもなく、半ば無理矢理押し挿入れば圧迫感が迫って押し返される。
「ッ、ゔ…」
息を詰める葉柱に一筋の疑問が湧く。額に汗を浮かせて歯を食いしばっている。先程まで元気だった葉柱自身は痛みのせいなのか萎えて…。
おかしい。
眉根を寄せてはふはふと苦しそうに息をする葉柱。
「………てめー、慣れてるなんて、嘘じゃねぇか…」
「…ん…ごめん…ヒル魔が初めて。ごめん…」
ごめんごめんと泣きながらそう言ってシーツを握り締める。
俺が強姦してるみてぇじゃねーか。
「……ごめ…、っ」
「………息吐け」
「んっ…ひる・ま、ッ…」
「掴まっとけ」
シーツに縋りつく腕を取って背中に回させた。
ゆっくりと息を吐かせて落ち着いたところで唇にキスして喉仏を擽ってやって胸の突起を軽く弾く。
「……んぅ…っ」
ゆっくりと撫でるように葉柱自身を扱くと少し頭を擡げた。
中の緊張が少し解けてその隙にぐっ、と押し挿入る。
「…ッ、ん」
腰を引いて、少し挿れる。そのままゆっくりと体重をかけて中に埋め込む。
「は、っ…」
ビク、ビク、と痙攣してる内股を撫でながら馴染ませる。
「なぁ」
葉柱自身の先端を撫でながら耳元で囁くと大袈裟な程跳ねた。
「…動くぞ」
耳朶を軽く噛んでそう言えばコクリとだけ頷いた。
「んっ…」
結合部からぬちゃ…、とローションのやらしい音がする。
「ッ、ん…っ、ん!」
やべぇ、全然保たねぇ。糞、出る!
「葉柱ッ…」
数回抜き差しを繰り返して離れようとすれば腰に脚が絡められてキュ、と締め付けられた。
「……んっ…中、で、出・せ、ッ」
「ァっ、てめ…ッ!」
抜く暇も無くドクドクと中で吐精した。糞。
「……は、ッ」
くったりとした躯からペニスを抜けば葉柱の躯がピクリと痙攣して悩ましげな声が漏れた。
「……ん、っ」
どろりと溢れた白濁が何ともやらしい。
「お前まだだろ、抜いてやるよ」
「っ、ぅ、ん!」
葉柱自身を数回扱くとビクビク、と痙攣してあっという間に射精した。
「………お前俺のこと好きなの?」
白濁を拭いながら聞くと真っ赤になってコク、と頷いた。
「…ふうん」
枕で顔を隠す葉柱ごと抱き締めて真っ赤な耳にキスした。
「…で?」
「…………」
「俺の返事いらねーのかよ」
「……………」
諦めてんのか?
「もう一回ヤるなら良い返事聞かせてやらねぇこともねぇけど」
「…!マジで…?」
「お前次第だな」
自身を軽く扱いてから無抵抗な葉柱の足を開かせて白濁が垂れてるそこに突っ込む。
「…ッ!ひる、っま・ぁ」
二度目ってのとローションとザーメンで濡れまくってるそこは割と簡単に挿入を許した。中はキュウキュウと締め付けてきて、突き上げると葉柱が仰け反った。
「あ…あぁ、ひる・ま…」
「は、っ」
脚を持って揺さぶってやれば持ってかれちまいそーなぐらい、イイ。
「んだよ」
「"初めてってわけじゃねぇ"ってのはなんだよ」
「………………」
「おい」
黙秘は使わせねぇ。
「……………嫌いになったか…ッ?」
「まさか」
「……引かねーの…?」
「引いて欲しいのかよ」
「違ぇ、けど……マジで引いてねぇ?」
「あー」
「ホントに?」
「あーあー、引いてねーよ。俺とどうしてもヤりてぇから嘘吐いた、でいんだよな」
「………………ん」
「指がすんなり入っちまったのは」
「…………俺…一人でやるときもこっち…、使わねーとイケね、んだけど、最近はヒル魔のことばっか、考えてて…その…、えっと…」
「見せろ」
「…カッ!?」
「俺の指貸してやっから見せろよ」
「……な…っ、な…に…言っ、て……」
「オナニー見せろっつってる、アナニー?」
「……………」
さっきまでは熱に浮かされてたし酔いも回ってた。今はもう酔ってねぇよな?素面でやってんのが見てぇ。