ksxx5

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色香



ヒル魔、って甘ったるいような擽ったいような低めのバリトンで俺を呼ぶ。
視線を落とすと目が合って、右手で頭を撫でて指通りの良い髪を鋤く。
マグに軽く口を付けて残りの少なくなったコーヒーを飲むとおかわり淹れるかって聞いてくる。それを遠慮してまた作業に戻ると今度は頭を乗せ直してウツラウツラ。
腹の上の雑誌はさっきから同じページのままだ。
俺の前ではこんなにも無防備。
それが賊学に行くと頭らしく男前になるんだよなあ。
ベッドの中じゃありえねーくらいエロいくせに。


「…ヒルまぁ‥」

「ん、」


寝言か…葉柱はむにゃむにゃ言って寝返りを打った。その寝顔がなんとも形容し難い。それを可愛いなんて思った次点で末期だ。

























パリッとキメたオールバックに刺繍の入った長ランが翻る。


「おーいヒル魔ー?」


颯爽と歩く後ろ姿は危険な香りを放って。
そんなことを思っていたら前を歩いてた奴が振り返った。


「どうしたよ?」

「…抱きてぇなあ」

「カッ!」


バカじゃねーのって笑った顔が胸を焦がす。
それにだよなあって返して。


「…っ」


バイクの後ろに乗るついでに軽くキスした。
耳が薄く色付くのを見て悪戯心が疼く。


「………、っ……」


昨日も今朝も、ヤッたのに、な。
エロいお前が悪ぃんだぜ?


「………っ…ヒル、ま」

「んだよ」

「っ…」


言いたいことは大体分かるぜ。見当違いじゃなけりゃーな。
でも悪ぃな止まんねぇ。
シャツの上から突起を弄って口内を犯すと葉柱が顔を真っ赤にして悶える。それを見るのがすげぇ楽しい。


「………ん、っ」


漸く唇を解放して離れると一息吐いてから葉柱がエンジンをかける。


「……走ってるときは悪戯すんなよ」


それやれって煽ってんのか?
信号で止まったときに脇腹をゆっくりと撫でた。


「……っ、ヒル魔!」

「今週末試合な、んで今日は帰りに寄るから迎えはいーぜ」

「…わかった、」


吸い付くような肌から離れるとより一層名残惜しい。
じゃーな。ん。とキスして別れて背中でマフラー音を聴く。


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