in a fit of jealousy
「お、割に良い場所取れたんじゃね」
アナタが取れって言ったんスよ。1年を部活免除にしてまで。
「ぎー―‥んーっ」
「ルイもう酔った?」
「…あー‥‥やっべ、ぇー」
ふわふわするぅー、なんてけたけた言うもんだから、こちらとしては非常に危険極まりない。
アナタ気付かないんスか?舐め回すように見られているのに?
うっすらとピンクに色付いた目許、晒されている白い首。なんと悩ましいことか。
これが、あの、泥門の悪魔のモノでさえなければ。首筋にうっすらと残る赤に気付かなければ。
はっきり言って酒どころではない。桜なんて見る余裕さえない。
なけなしの理性と格闘中。
「かずみィー」
葉柱さんは酔っ払うと俺のことを名字でもなく、アダ名でもなく、下の名前で呼んでくる。この上なく、甘ったれた声で。
「…な、んスか?」
「なァーんもー」
「………」
「呼んだだけぇー」
きゃきゃ、と間延びした声で言われ。あぁ、もう‥‥‥すげ、可愛いって。
「そろそろお開きねー。ルイ、起きて?立って」
「むーぅ‥」
「あ、俺が」
ふらふらの葉柱さんを支える。
細身の体。俺(たち)を力強く殴り付ける力はどこにあるんだろう。こんなにも、細くて華奢なのに…
でも俺(たち)は知ってる。葉柱さんが華奢だと言われることを嫌がっていることも、毎日筋トレを欠かさずにしていることも。
葉柱さんの意識は殆ど無い…もし。もし。このまま。家になんか連れ込んだりしたら。葉柱さんはどう思うんだろう…
酔っ払ってるから案外簡単に…
お前、気付いてねぇのかよ。奴等てめェのこと狙ってんだぞ?人のモンやましい目で見やがって。
てめーも呑気に凭れるんじゃねぇ。
「―――俺のモンだっつーの」
べりっと糞金パから剥がして軽く睨む。
「………ン、り…?ひぅ、まvv」
「・・・・・・・・・・来い」
ぐいっと腕を引っ張って人気のない場所に向かって足を進める。
途中、ひるまぁ、なんて甘ったれた声がしたが無視した。
「‥なー、「この辺でいいか」
「………?なにがッ、ン・んン‥‥、‥‥‥‥っ‥ん‥‥‥」
いつもの優しいキスじゃなくって、噛み付くような荒くて激しいキス。
木の幹に背中を押し付けられて、ベルトを手際よく外された。同時にズボンと下着も足元まで落ちて。
「……………、……!」
後ろを向かされたと思ったら、ヒル魔が宛がわれて。まだ慣らしてないのに。
「……ャ、ヤダぁッ!やだっ、やッあ…」
叫びながら身を捩っても、ヒル魔は離してくれなくて。
「黙れよ」
口内にヒル魔の指が押し込まれ、手を後ろで縛られた。
たぶん紐なんだけど、解けなくて。
「ん、んんっん゙ん―――――!!!!!!!!」
メリメリッ、て音が耳の奥で聞こえた気がする。激痛が身体中を駆け巡る。
ヒル魔は無理矢理奥まで挿入れてきて、次の瞬間には無茶苦茶に動いた。
すごく痛くて、悲しくて、視界が涙でぼやけた。
激しいピストンに立ってられなくて、足がガクガクしてる。あれほどあった痛みも感じなくて、早く終わって欲しいと感じた。
大好きなヒル魔とのセックスなのに………