にゃんこ。
「…そういやなんで来たんだ?」
「今朝寒ぃと思ったらブッ壊れててよ。暖房器具修理中」
そうなんだぁ、って話してる場合じゃねぇよ。
学校!
今からでも行くんだからな。
時計は14:19。
まだ部活には間に合う。
腰の鈍痛は気付かないふりをして心地好いベッドから降りた。
「どこ行くんだよ」
「風・呂!覗くなよ」
「そこまで飢えてねーよ」
「…まぁ覗いてねぇし?」
「…なっ…………!」
突如後ろから聞こえた声に足先まで冷たくなった気がした。
「…お…ま…鍵…」
「ンなモン俺に通用すると思うか?」
ケケケ、って牙見せながら笑っているヒル魔。
もしかしなくても俺ヤバい?
出入口はヒル魔が塞いでいるし、このままつっ立っているのは益々嫌な予感だ。
湯船に入れば逃げ場ねーし…
「観念しな」
今日は学校に行けそうにない。
部活には出たいけど、なぁ。
痛くて無理かも。
Fin.