ksxx5

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at first



外は赤と緑のイルミネーションが眩しい。

「なぁ、クリスマス欲しいもんある?」

もうちょっとでクリスマスだし。
ヒル魔の欲しいもんなんて分からないから思い切って聞いてみた。

「…ルイ、とか」
「カッ!!?」

だけどまさかそんな返事が返ってくるなんて思ってもいなかった。

「冗談だ。お前がくれるんならなんだっていい」

そりゃ付き合ってるんだし、当然なんだけど。
まだ、その、覚悟?ってやつが問題なわけで。
やっぱりヒル魔はシたいんだな。
そんなヒル魔に申し訳なくなってしまう。

「落ち込んでんじゃねぇ。俺は待つっつったろ」

そんなことを言わせてしまう自分が悲しい。

「…うん………ごめん…」
「ったく、お前は欲しいもんねーのかよ」
「なくはないけど…ヒル魔と一緒にいられれば、ぃぃ」
「おまっ…、糞!糞!糞!あーヤりてぇ。けどシねぇよ!!」
「………………………ごめん…」
「―――そんかし…」
「………ッんぅ!?」

顎を掴まれてヒル魔の口に自分のそれが重なって。

「……ン、っ…ん……は…ッ」

今までで一番深いかもしれない。
そう思ってしまうようなキス、をされた。
「今日はこれで許してやる」

そう言って不敵に笑うヒル魔。

























* * * * * *



























12月22日(土)。
今日は終業式。
実質明日から冬休み。
だからってわけじゃないが今日の部活はいつもより早めに切り上げる予定だ。
明日と明後日は休み。
火曜は午後練。
たっぷり2日。
延いては3日。
今日から葉柱は家に泊まることになっている。
アイツはシねぇつもりかもしんねーけど俺はヤるつもり。
つーかシないで3日もどーやって過ごすんだ。
無理だろ。
俺が、かもな。
アイツと付き合ってから初めて理性があることを知ったよーなもんだし。
理性がなかったら今頃強姦とかしてるかもな。
笑えねー。
しないのは待つ為。
性に合わないことは知っている。
けど大事なもんだから、な。
俺を待たせるなんざテメーだけだ。
だから早く覚悟決めろ。
少しぐれぇなら待ってやるから。

























「―――…絶対そうよ」
「日曜と休日だからじゃないんスか?」
「それは建前だ」
「僕もそう思う、なんたってヒル魔さんだし。今日終わるの早かったし」
「そう言われれば…そうだな」
「きっとたっぷりするつもりなんだろうよ」
「…まさか」
「いや、間違いねぇ」
「まじかよ」
「―――…テメーら煩ぇぞ。着替えたんならさっさと帰れ」

さっきから随分と言ってくれるな糞野郎共。

「ヒル魔さんっ!何で明日と明後日は休みなんですか?」

チビのくせに最近調子こきやがって。
代表して聞いてくんな。

「日曜と休日だろ」

取り敢えずそう答えとく。

「じゃぁなんで火曜日は午後からなのよ。いつもなら午前からでしょ」

あーうぜぇ。

「どっちでもいいだろが、それ以上ゴチャゴチャ言うと…」

RRRRRRR…

ヒル魔の携帯が鳴り、会話が止む。

ピッ

『わりぃ、ヒル魔。ちょいトラブったから遅れるわ』
「糞ッ!」

それだけ言うとブチッと切ってやった。

「糞野郎共鍵閉めとけ」

先に帰ってやる。

























* * * * * *



























『糞ッ!』

ブチッて切れた。
相当キレてる。
いつものことなんだけど。

「葉柱さんっ」
「おー」
「ちょ、何電話なんかしてんの」
「カッ!分かってんよ」

昨日のお礼参りに来た奴等がトラブルの原因だ。
しかも終業式と重なってか、何校か束になって来やがった。
まぁ入学式や卒業式程多くはないが結構な数だ。
おかげで俺も出向かなきゃいけないってわけだ。
それでも勝つけど。
でも数が多いから時間かかんだよ。


























結局1時間後には血の海、とまではいかないぐらいには変わった。

「ルイこの後どーすんの。やっぱヒル魔ンとこ?」
「………ぉぅ」
「じゃぁ銀さんから一足早いクリスマスプレゼント!使ってねーヒル魔の機嫌もすぐ直るよ!次の部活は火曜日の午後からってみんなに言っとくから♪」
「…カッ!?」
「お前早くシャワー浴びろ」
「分かったぁ〜じゃぁねぇ、ルイ。ヒル魔によろしく〜」

ツンは血だらけの(勿論相手の)銀を連れてシャワー室に消えた。
俺も軽く浴びようかなぁ。
その前に電話…した方がいいよな。

RRRRRRR…

ガチャッ

「ヒル魔ごめん!今終わっ『家』
「カ?」
『今すぐ家に来い』
「ぇ、でもシャワー浴びたいん『家で浴びればいいだろ』
「や、でも…」
『来い。今すぐ。10分以内』
「10分って無理…

ブチッ、ツーツーツー

あれ。
切れた。
これって今すぐ行かないとだめな感じ?






















* * * * * *


























「来い。今すぐ。10分以内」

なんか言っていたが途中で切ってやった。
1時間以上待たせやがって。
他の奴等ならぶっ殺してる。
…早く来い。




























19分50秒。
まぁ早いな。

「お、まっ…ゼェ…ハァ、無理ッ・だろ…がッ!…ハァ…疲れた…」
「早かったじゃねーか」
「あ゙ー…ハァ、っ…ハァ…」

玄関に入った瞬間ぶっ倒れた葉柱。
額に汗を浮かべ、息が荒い上、寒い中走ったせいなのか頬が紅潮している。
やべぇな、勃ちそう。

「風呂沸かしてあっから入って来い」
「ハ…まじ、かよ…サンキュ…」





























* * * * * *


























湯船の中が薄いグリーンで綺麗だ。
初めてヒル魔ンちの風呂に入ったけど、意外と風呂場は白で統一されていた。
黒じゃねぇのな。
ヒル魔、怒ってると思ってたのに寧ろ機嫌良かったよな?
入った瞬間に撃たれなかったし。
愛車に無理言わしてぶっ飛ばして来たおかげで冬なのに汗だくになったけど。
10分以上軽くオーバーしてるのに(まぁ元から10分とかは無理だけど)罵声どころか風呂まで沸かしてあった。
あれ。
ちょっと待てよ。
風呂に入ったらどーなるわけ?
待つってのは?
もう覚悟決めなきゃ、だめ…?
泊まれって言われてたけど…やっぱりそうなんだ?
そりゃ…抱かれたくないって言ったら嘘になるけど、さ。
ど、しよ。
何だか悶々としながら持ってきたスウェットを着てリビングに出れば。

「…なぁ、これ何だよ?」

ピンクの紐の黒い箱を持ったヒル魔から疑問符を投げられた。

「銀がくれた。クリスマスプレゼント…らしい。何だろ」
「開けてみろよ」
「うん」

促されてリボンを解いて中から出てきたのは…コンドーム、ローションから始まり、男性器を型取った玩具や小さな小瓶に入ったピンク色の妖しい液体など―――計10個近くのアダルトグッズ。

「で、これを俺と使えってことだろ」
「ぇ…そうなの、かなぁ…?」

恥っっず!
まだヤってもいねーのに。
銀の野郎。

「なんか入ってるぜ」
「カッ?」
「《ルイへ ヒル魔と使ってね》だとよ」
「…………」
「使うか?」
「っえ!?ゃ、まだいいって/////」
「まだ、ねぇ…」
「!!…それはッ、その…っ」
「ケケケ、お前可愛いな」

目尻にチュッてされた。
恥ずかしさで死にたくなる。
きっと顔は赤い。

「さて、じゃぁそんなルイルイに飯でも作ってもらおうか」
「…たまにはてめぇで作れよ」
「面倒」

面倒って。
即答すんな。

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