裏社会
「こっちだ!こっちにいたぞ!」
「うわっ、見つかっちゃった!」
「松野おそ松を捕まえろ!」
いや、僕おそ松兄さんじゃないし。トド松ですけど。前線で戦うとか苦手なんだけどなぁ。いつもおそ松兄さんに間違えられる。どんだけいろんな相手に喧嘩売ってんのおそ松兄さん!?
「っは…はぁはぁ…っも、兄さん、速くっ…!」
「すまねえなぁ。お前、消えてもらうぜ?」
あ、やばい。ほんと、何やってるの。はやく助けに来て。逃げるのも楽じゃないんだから。
「いや〜、オニィーサン。それおそ松じゃないよ〜?」
「はっ、何言って…んなっ!!?」
「驚いた〜?俺達六つ子なんだよねぇ。」
あ、おそ松兄さん。目がやばい。それよりも僕の足ももうやばい。倒れ、る…
「トド松!大丈夫か?」
「カラ松、兄さ…」
「こっちで休んでろ。チョロ松。」
「分かってるよ。トド松、水飲んで。はい。」
「ん…」
ちょっと生き返ったかも。同じ六つ子だけど、やっぱり僕って体力無いよね。
「六つ子?!馬鹿なっ!そんな噂聞いたことねぇぞ!」
「そりゃそ〜だよ。だって俺達六つ子に遭ったやつ、みんな死ぬんだから。」
「はっ!そのへんのヤツと一緒にしてもらっちゃぁ困るぜ?俺は今まで1人で20人以上を病院送りにしてきたんだ!」
「だ〜か〜ら〜、オニーサン俺の話聞いてた〜?俺らは6人でみんな殺してきたんだって。」
今日のおそ松兄さん、よく喋るなぁ。何かいいことでもあったのかな?もちろん表社会で。
「くそっ!」
「え、オニーサンその程度なの?まじ?」
いきなりストレートを食らわせてきた男。いや、おそ松兄さんには通じないよ?ほら、いとも簡単に受け止めた。次々と蹴りやパンチを食らわせてくる男の攻撃を全て受け止めるおそ松兄さん。ていうか、いつまで遊んでるの…
「え〜、オニーサン武器使わないの〜?」
あ、違った。コイツ拳銃忘れてるし。何やってんの?!トドメ誰がさすの?!
「カラ松〜」
「おうよ!」
「ぐはっ…」
カラ松兄さんの回し蹴りが綺麗に決まった。同じ六つ子の癖に脚長いし男前な顔なのはなんで?黙ってればカッコイイのにイタイのはもっと謎!
「おそ松兄さん!」
「おっ、チョロ松サンキュ〜!」
「いや、銃くらい忘れてくるなよ。」
「は〜い」
ナイスチョロ松兄さん!裏方の癖に拳銃装備してるだけあって、いい連携プレーだね!
「カラ松〜、当たったらごめん」
「おいおいおそ松ぅ?!」
ーーーバンッ
「かっは……」
「危ねぇ!おそ松?!」
「ナイスカラ松!カラ松なら避けてくれると思ったよ〜!」
「フッ、まあな…じゃなーい!ノンノンおそま〜つ?当たるから!死ぬんだぞ?!」
始まった。おそ松兄さんもこうなるって分かってるんだからわざわざカラ松兄さん間に挟んで銃で撃つのやめればいいのに。いくらカラ松兄さんが避けられるからって、毎回やられちゃ困りものだよね。なんだかんだ言って楽しそうだからいいけど。
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