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<まさとっ…好きっ!!>
<俺もだ、みさき!!>
うわっ、ちょ、まじで?生キス?!どんな心境で見ればいいのさ!!
顔を手で隠しながら謙也の方をチラッと見ると、同じく顔を赤くしながらあたふたしているのが目に入った。
〜〜1時間後〜〜
まだ心臓がドキドキしている。隣にいるのが本当の彼氏、とかならまだいい感じの雰囲気とかになってなんとかなるのかもしれないけど、そうじゃない2人にとっては濃厚過ぎた。
「け、結構激しかったな…!」
『そ、そそそそうだね…!』
ほら気まずい。
居心地の悪い沈黙が流れる。お互いに口を開きづらいのだろう。
そりゃそうだ。あんなのだとは思ってなかったからね!!もっとこう、ナチュラルな感じのだと思ったし!何が恋愛映画だよ!!どちらかといえば大人の映画だったよ!
「す、すまんな…あんなんやとは思わんかってん。」
『こ、こっちこそごめんね!見ようって言ったの私だし…!』
あははは…はぁ。
乾いた笑いが響いて逆にギクシャクする。幸い、そろそろ5:00になるからお開きになるだろうとは思うんだけど。なんか気まずいまま学校で会うのも嫌だなぁ。
「ほんま、付き合わせて堪忍な。」
『そんなに謝らないで?滅多にできない経験だったし!!』
確かにしんどい部分もあったけども!でもまあ、いい思い出といえばいい思い出よね!!
「ほな、家まで送ってくわ。家どの辺?」
『えっ?!いや、いいよいいよ!悪いから!』
「そないなこと言わんとってや。最後くらいかっこつけたいやん?」
『…そ、それじゃあお言葉に甘えて…』
ナニコレ本当にカップルみたいじゃん!急に男っぽいとこ見せてきて何なの!?こっちが照れるわ!あーもう、ほらまた心臓がドキドキしてる。
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