員集合


今日は早く帰れる日だった。うちの晩飯は時間が決まっていて帰れる日はその時間内に帰らなければならない。
多分今日は久々の全員の日だった気がする。楽しみだ。
アイツらと飯を食うと、美味しく感じる。勿論和の作るメシは美味いんだが。
大人数で賑わって食べると、何だか落ち着ける。本当に家庭を築けているようでくすぐったい。
練習を終え、することもなく時計を見上げる。すると後ろから肩を叩かれた。


「この後マジバ寄らねえ?」

「悪ぃ、今日晩飯あっから。」

「えっと、例のアレか。確か高尾が作ってんだっけ?」

「ああ、和の料理は超美味い。」


話しかけてきたのは、お馴染みチームに所属してください火神だった。相変わらずこの歳でもマジバに行きたがる。
火神の反応は興味深そうで、意外に食いついてきた。そういやコイツも料理出来んだっけ。


「キセキと高尾っつーことはかなりの量あんだな。それを一人で?」

「おー、いつも時間までに作り終わってんな、たしか。」

「すげぇな、それ。」

「お前料理の話になると楽しそうだな、おい。…なんなら今日来るか?」


マジ?と嬉しそうに目を輝かせる火神。そういえばコイツも氷室とかなんとかと同居してなかったっけ。今日は朝から寂しそうだったし、氷室って奴は出かけてるかなんかなんだろう。
とりあえずそうと決まれば連絡しなければ。携帯で連絡をかけあってみればすんなり許可が出た。
因みに今日の晩飯は唐揚げらしい。美味そー。
晩飯を想像しながら鞄を掴む。そうと決まれば今日は寄り道せず帰ることにしよう。


「んじゃ、帰るぞ。火神。」


家で晩飯が待ってるかと思うとうずうずする。アイツらと同居し始めてから、寄り道もする気すら起きない。
家に晩飯が待ってるなんて幸せだな、と火神にバレないよう微かに笑み浮かべ家へと歩き出した。






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