始まりは単純 始まりなんてものは簡単だった。 昔からキセキでつるんでいて、みんなが青峰好きで。 誰にも取られたくないと、キセキで協力して高校も守り切って。 そんなとき、真太郎繋がりで和成に出会って、和成を気に入って。 どうにか二人をキセキだけで構えないか考えた末、行き着いた提案は同居、だった。 家は僕が買って、キセキに話つけて和成にも話して。鋏を使う間もなく全員が了承して。 そんな同居生活が始まったのは丁度5年前の話だ。懐かしいな。 現在は七人でこの家で生活している。家事を担当するのは我らがムードメーカこと和成だ。 和成と俺とテツヤは大体家に居る。テツヤは小説家だ。 テツヤは家に居るとはいえ、大抵忙しいことが多い。今も締め切りに追われているようだ。 「そーいえばさ、征ちゃんってばさ会社行かなくていいわけ?」 「…ああ、会社は僕が行かなくても成り立つようにしてあるからな。」 「ふーん。でもほとんど行かないよな、征ちゃん。」 「会社よりお前達のほうが大切だからな。だが、仕方ないときはちゃんと出勤している。」 今は、僕と和成で昼飯の用意をしている。因みに和成の料理はうまい。 敦もスイーツの腕はなかなかだが、基本のご飯は和成の腕が一番たつ。 料理が大体出来上がり、僕がテツヤを呼びにいくことになった。 我が家は家に居る限りはリビングでご飯を食べると決めてある。夜もだが、最近は真太郎と涼太は夜まで仕事がありなかなか揃っていない。 今日は久々に揃う日なのだが。 「テツヤ、ご飯できたよ。」 「…はい、行きます…」 「今回も締め切りが迫っているのか。」 「明日までなんです…」 ふらふらになりながらもリビングへ向かうテツヤ。相当追い込まれているようだ。 だが、和成の手料理を食べればすぐにテツヤは復活した。さすがだな。本当に和成はいい嫁になりそうだ。させないが。 この家で同居生活しているのは、一種の契約である。 誰も抜け駆けせず、みんなで愛でる。所謂共同戦だ。 まあ、二人(大輝と和成)はそのことを知らないのだが。 ああ、今日も和成の味噌汁はうまいな。 (うまい?) (文句なしですよ。) (流石は和成だな。) ちっちゃい子組は主に家にいます。 仲良しこよし。 |