あれから、私はその日のうちに宮地先輩と差し入れの相談をするために、図書室を訪れていた


「…あー、悪いな」


『え、なにがですか?』


決まりが悪そうに目を反らしてがしがしと頭をかく宮地先輩に、私は首をかしげる


「その…いや、なんでもねぇよ」


首をかしげた私に、宮地先輩はなにかを考え込んだ後、なんでもないと首をふった


『?…それで、次の差し入れなんですが、そろそろ夏場なので、冷たいものを考えているんですが…あ、勿論、体を冷やさないようには気を付けるつもりです』


「そうか、いいんじゃねぇの?」


『ありがとうございます。具体的には…』


私は、鞄からメモ帳を取り出して、考えていたメニューを箇条書きにして書き出した


それを、宮地先輩はじっと見ていた


『…と、この辺かな、と思ってるんですが…どうでしょう?』


「おう、いいと思うぜ。…でも、こんなのどうやって差し入れんだ?俺らの練習はそんじょそこらのとは違って…って、お前、帝光にいたんだもんな、それくらい想像つくか?」


宮地さんは疑問を口にしたあと、納得したように言葉を続けた


『ふふ、帝光の練習と、秀徳の練習が同じだとは全く思ってないですけどね』


そう笑うと、宮地先輩はきょとんとした顔でわたしを見た


『…?宮地先輩?』


「…あ、いや、お前もそんなふうに笑うんだなと思ってよ」


『え、今までどんな顔してました?』


「すんげーガチガチな顔」


『う…すみません…』


「謝んなよ」


いつのまにか、宮地先輩とそんなふうに軽口も叩けるようになっていて、なんだか不思議な感じがした







差し入れの相談

(宮地先輩との距離が縮む)

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