「ハナ、ご飯ができたぞ。こっちにきなさい」
「はーい!」

ソファによじ登りセブの膝にもよじ登る。
一人で食べてたらぼたぼた零すのでこんな態勢になった。が、セブが楽しんでるように見えるのはどういうことだ。


「ほら、あーん」
「あー」

もぐもぐ口を動かすとだらし無く口元を緩ませる薬学教授。
こんなのハリーとかが見たら失神するんじゃないか?
まぁいいけど、面白そうだし。

てかあれだ、ここらでひとつ質問してみるか。じゃないと余計な事まで喋りそう。


「せぶって、なにやってるの?」
「教師だな。ほら、頬についてるぞ」
「う?」
「大丈夫だ、もうとれた。また明日から授業か…」


ため息をついて私の耳を撫でる。
昨日初めて会ったのに優しすぎてびっくりだ。ていうか可愛い物好き?顔に似合わず?


「なるべく部屋にいるようにはするが一人のときもある。…いや一匹か?
まぁいい、ちゃんといい子で待ってられるな?」
「うん!」
「よしよし」

あ、でも探検するかもしれない。
いないからって騒ぎ立てないでね頼むから。
一応女子高生だったんだし!

「この扉の向こうで授業をするから何かあったら呼びなさい」



それでいいのか教授よ



「よし、ちゃんと食べれたな」
「ごちそうさま!」
「いい子だ」


耳の裏をカリカリしてもらうと甘えるような声がでた。
流石猫科、そこら辺は一緒らしい。

「ほら、手を洗ってきなさい」
「はーい」


一個違う扉をあけて私のためにおかれた台にのり蛇口をひねる。

…やべ、勢いよくひねりすぎて服に水かかった。
これは謝って乾かしてもらうしかないな。


「せぶーごめん、ふくがぬれた………ん?」
「…………え?」
「………あ」


部屋に戻るとソファに座っていたプラチナブロンドの人と目が合う。その隣ではセブがヤバイって顔をしていて………とりあえず、

「どちらさま?」
「え、あ、僕はドラコ・マルフォイだ」


うおぉぉぉやっぱりか!きたよメインキャラとの遭遇パート2!意外に早かったな!
ヤバイテンションあがるわぁぁぁっ!


「……で、君は?」
「わたしハナ!…ねぇせぶ、いつまでかたまってるの?」
「セブ!?」

あ、地雷踏んだ?ごめんセブ、ドラコにあらぬ疑いをかけられても私を怒んないでね。例えばロリコンとか。

「…はっ!ハナ、なんで服が濡れているんだ?」
「みずが、どばぁって…」
「あぁ、ひねりすぎたのか」
「…あの、スネイプ先生」

セブが杖をふって乾かしてくれた服を見て感心しているとドラコがセブに声をかけた。
おぉここで声をかけるか!流石ドラコ!よっ、お坊ちゃま!

…ダメだ、自分でも何がいいたいのかわかんなくなってきた。
テンションあがりすぎて怖い。

「なんだ」
「この子は…?」
「昨日拾った」
「拾っ……!?」

ぐるんと私のほうを向くドラコ。
そんな勢いでよく首が痛くならないなある意味尊敬するよ。

「あぁ、本当は猫、」
「とら!」
「…………虎だ。ハナ、見せてあげなさい」

まったく何回いったらわかるんだか。虎だっつの。
お腹に力をいれながら軽くジャンプする。小さなあの姿になったのが視線の高さからわかった。

「がぅ!(どうよ!)」
「へぇ……じゃあ本当にさらってきたわけではないんですね」
「疑っていたのか」
「まさか、信じていましたよ先生」

冷や汗を流しながら答える坊ちゃま。説得力がこれっぽっちもないぞ。
暇だから宙返りして幼女の姿に戻った。うん、これがいいよ。

「ねぇねぇ、どらこってよんでもいい?」
「もちろんだ」
「やった!せぶ、ともだちできた!」
「よかったな」

二つの手に頭を撫でられてにこにこしてる私は頭上でセブが睨みドラコが視線を逸らすという壮絶なバトルが繰り広げられていることに気がつかなかった。

「…で、本当に猫じゃないの?」
「またかよ!」


虎だっつの!
そんなに猫に見えるのか!



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